人を幸せにする人になろう

フォトスキャン我流(9)

◆平面図は、全体図は20分の1、埴輪や葺石は10分の1。で、たとえば、全体図20分の1は、10分の1 で作ったものから改めて20分の1を作ることはせず、PDFを作る時に、右の画像のように、A3、50%縮小にして、20分の1原図を出力します。埴輪や葺石の10分の1下図は、区切りを考えながらPDFの枠を決めています。
◆去年の渡り土手などは、ひとつの大きな調査区だったので、図面にかかる人数を勘案の上、図割りを作っていましたが、今回はシンプルなトレンチ4本で、規模も広大ではないので、何枚の下図にするかはシンプル。
◆一例として19-3の上段を示します。石がちょこっとあるので、いちおう、10分の1。むろん、10分の1で書くものが多ければ、すべて10分の1とし、別に20分の1を作らずともよい。
◆こうして用意したPDFは、コンビニでプリントできます。
◆念のため。冒頭に書くべきですが、条件のいい時に、いい写真を撮るのがなにより大事。19-3はうまくいきました。オルソ画像がきれいです。埴輪・葺石部分は、写真も入念に撮ったし。19-6は暗かった。カメラもいちいち三脚を据えてマニュアルで、ではなく手持ちオートで撮ります。なので、暗く撮影条件がよくないので、見ると画像があんまりよくなく、オルソのデキもやや劣る(まあ、これで書いてください)。撮影するとき、トレンチ直交方向に撮るとして、手前や向こうのトレンチへりを入れるようにするわけだが、トレンチ底の遺構が大事なわけ。そっちにちゃんとピントが合っている写真を撮ることが大事。が、やはり暗いとISOが落ちるし、ピントも・・・。うちのカミサンは1脚を使ってます(賢いですね)。条件にあわせて撮り方も変えないといけませんね。

フォトスキャン我流(8)

◆で、これを方眼上で位置をあわせる。A2サイズの方眼をイラレで作っている。以前に重藤さんにもらっ たものがあり、それをもとにA2で作った。
◆こういうものがないと、オルソ画像に写し込んだマーカーを正確に配置することはできない。これがメンドウくさいわけです。が、10分の1に調整するだけで、だいぶ労力が減った。正確に縮んでいるので、マーカー2点の座標をあわせてやると、だいたいあう。だが、マーカーの座標の誤差が大きいと、あわないわけです。5点はつじつまがあっても、2点がこないとか。で、まくばったりしていました。が、まあ、マーカーの測量がちゃんとやれていて、誤差が1㎝程度の範囲なら、ほぼ問題はない。
◆こうして方眼イラレに画像を配置し、正確に位置があえば、ミリ方眼・5mm方眼・1㎝方眼のレイヤーを消して、5㎝スクエアに し、X座標は赤ライン、Y座標は青ラインにして、PDF出力にもっていきます。
※あんまり画像を出すと、当局に怒られそうですが。

フォトスキャン我流(7)

◆ちょっと戻って、マーカーを落とすのはわかりますか。
◆19-6でのマーカーは5つ。冒頭で述べたように、これまで、3D化してから、その画像にマーカーを振ってた。今回も。最初にモト画像にぜんぶマーカーを振っていくこともできます。今日の19-6は、いつも通り3D化してからマーカーを振る。この場合は、自動的に写真画像にマーカーが入る。ただし、それを点検していると、ずれがあるので気持ち悪く、写真データ上(下の画面)でマーカーの位置を補正し、再度、アラインからやり直しました。マッチングがマシになっているかどうかは知らん。
◆で、元に戻り、オルソはピクセル条件で出力されており、画像はでかい。前は、これをもとに、縮小と座標の位置合わせをやっていたが、これが大変でした。疲弊してました。
◆昨年からは、オルソ画像を10分の1なら10分の1にすることにしている。オルソ画像をイラレに配 置し、遠い範囲の2点間距離で縮尺をあわせている。座標のわかる2点間の距離はネット上で公開されているもので算出できる。去年は違ったかもしれないが、今年は右の会社のものが出てきたので使う。2点の座標を入れると、距離がミリ単位で表示される。イラレのオルソ画像上の2点間距離を測り、縮尺を10分の1にあわせる。これをフォトショで保存。

フォトスキャン我流(6)

◆座標がうまくいけばオルソ。平面を選び、上・下、右・左、正面・背面。つまり、座標空間上に位置する3Dを、6方向から見たオルソが選択できる。まずは上。
◆上からみた俯瞰オルソを作成したもので保存。オルソは簡単にできるので、次に上からでないオルソ(例えば右)を作る場合も、同じファイルでやればよい。3D化は、それまでで済んでいるので、オルソは出力形態の話と考えればよい。
◆作成できればエクスポート。これピクセル。サイズをいじればいいのかもしれないが、わからないので、初期画面の条件で出力。TIFFでなくJPEGでやってます。
◆これで平面オルソが画像として出力される。長いトレンチだと、これがとんでもない容量となり、動かなかったりする。右の画像の「ピクセルサイズ(m)」XYを変えてやれば調整できるんでしょうね。対象を描くに足る画像がえられるなら、容量は少ない方がいいに違いない。

フォトスキャン我流(5)

◆8月31日、19-6トレのフォトスキャンによる図面下図作成完了(23:00)。基底石部分は、裏側からの立面、および、側面図がいるが、これもやってはみたが、オルソーがあんまり信用できないので、人間がやるべし。残りは19-2。深く大変だが、立命でやっているので、16-9の事例を中心に、我流の流儀をまとめておき、参考にしてもらおう。
◆19-6は32枚ですべてアライン。が、雨が降ってきた関係で、木漏れ日はないが、暗く、画像そのものの条件がよくない。石も乾いて白いのがいいが、濡れている。まあしかし、なんとかなった。
(1)マーカーの旗を立てるのは、いつがいいんでしょうかね。最初にやるのが多分いんでしょう。これによりマッチングの助けになる。
(2)アライン→高密度クラウド→メッシュ。メッシュがいちばん時間がかかる。これ「中」でやってます。点群データから三角形を作るが、途中で数を自動的に落としている。「高」や「最高」でやると、とんでもなく時間がかかり、かつ結局は削減してメッシュ数は中と変わりなかったりする(数字を指定すればいいのだろうが)。テクスチャーもやってしまう。
(3)オルソに進むときは、マーカーの座標入力が必要(これまでは、この時点で座標入力をしてきた)。国土座標は左手系なので、Xには  Y座標を、YにはX座標を入れる。上の旗マークの右クリックのメニューで、座標を選べば、左の画面になる。19-6ではマーカーは5点。右端の誤差が、5点間のつじつまがどれだけあっているかを示す。座標画面の更新マークをクリックすれば、誤差も更新される。こないだの19-3は、最初、この誤差が10㎝単位で発生してしまっていた。19-6は、ポイント2が1.3㎝の誤差になっているが、あとはミリの世界。0.003、とか。

19-3問題

◆マーカー9ポイントを入力する。まともなら、オルソーになるが、明らかに傾いている。こういう場合は座標の問題。入力ミスなど。誤差が40㎝とか・・・。
◆1個1個点検。後半の数字にかなり疑問が生まれる。理由は不明。だが、こういう重要な測量は、機械と記録を別にするのは、読み上げミス、記録ミスが発生しやすい。慣れた人間がマシンを動かし、きちんと記録も取るのがよいのでは。
◆6と7を外し(使わず)、9の数字を1m違いとすると、誤差が数センチまで来た。おおよそこんなところなのだろう。6、7、9。まあ、気持ち悪いし、再度、ひととおり、やり直せばよろしい。
◆帰ろう。21:10.

あああああ

◆3日ホテルで缶詰めになり、著書の再校をやっつけようと目論んでましたが、できませんでした。
◆河内鋳物師のことを、と思っていましたが、できませんでした。
◆結局は久津川です。2年ほど前に、N先生の研究をもとに、王墓や車塚の設計寸法を考えたことがありました。そのエクセルを引っ張り出してきて、今回の成果とにらめっこ。N先生の
研究は重要なヒントになるのですが、わたしからすれば、違うんではないかというところもある。で、昨年申請したのが、前方後円墳の設計原理の解明という科研基盤Bで、今年度から採択されています。そのなかで、誉田御廟山と久津川の比較は、複製の具体像に迫るかっこうの題材として位置付けています。まあ、研究費はもらっても、研究する時間はないので、ほとんど測量して終わりですが・・・。
◆なので、今日は、科研の研究にふさわしい作業をしていたということか。図面は出せませんが、表を。前方部はともかくも、左側の後円部だけを見てもらえば、いちおう算出手順はわかってもらえるのでは、と思います。2:1:2:1:6:3は、上石津ミサンザイ・誉田御廟山の副系列墳の割り付けです。これで論文1本書けるけど、書いている暇もなし。
◆19-3トレのフォトスキャンもできず・・・。座標が・・・、解決するのだろうか(後日、むろん解決しています)。

日本語の科学が世界を変える

◆というものを、必要あって、この数日読んでいました。著者は日経サイエンスなど、世界の科学 論文を日本に紹介する仕事に長く携わってきたライター・編集者。確かに、個々の分野の世界にいる先端の研究者よりも、多くの分野で、どういう仕事が大きく前進させたのか、広く知っているということだろう。
◆欧米の論文は面白くない、日本人の書いた論文は面白い、のだそうです。長くこうした仕事について重要論文を紹介してきた経験から、その背景について考えている。幕末から明治はじめ、西欧で発展を遂げつつある科学を、いちはやく吸収し、用語の意味を塾考し、適語を生み出していく、そして日本語の教科書を書き、教育を行う。明治30年頃には早くも世界的な研究をなす人が出てきた、確かにすごいことですね。江戸期の識字率の高さもベースにあるだろう。明治以降の教育制度も。民主主義とか自由とか、むろん明治政府の家父長制の強化のなかで、いまもって十分に浸透してはいない面もある。とはいえ、文字を読み、志あれば勉強して、自ら考えるという、イエ制度とは別に、みなが学校に行き、そこで日本語で学べた。これは日本人個々を育て、総体としての国力を増進するのに、大きな意味をもったにちがいない。これ、江戸幕府が自作農を生み出したことが、身分制はあれ、大きな社会分断というより平準化をもたらし、力を発揮できる社会を生んだのと同様に重要なことでしょう。日本語による科学教育の普及は、むろん帝国大学に行ったり、海外留学に行けたトップとは差があれ、限られた知識人が科学を独占するのでなく、一人ひとりに一定の義務教育を施し、高度成長期までは農業人口がなお多かったにせよ、学術や工業、商業、いわゆる近代化にともなう担い手を広く生み出したといえる。
◆同僚のT先生も、歴史で同じようなことを言っていたように記憶するが、あいまい。つまり、日本語の科学、というのがミソ。意味には2つある。ひとつめは、実際のところ、21世紀現在の諸国の大学など高等教育で、英語の教科書を使っているところが、おそらく多いのであろう。日本は、日本語の教科書で科学を研究している、そういうこと。このへんは、是非、データがほしいものです(中国や韓国でもそのようですよ)。理系の世界で英文で論文を書く、まあ仕方なしにやっているわけで、そういうのもなかなか直らないのだろうが、何より重要なのは、学生が日本語で学び、研究者も日本語で思考し、学会等で議論できる。当たり前のように思うかもしれないが、世界的にはまれな、そういう条件にあること。
◆2つ目は、日本語で科学することで、英語やキリスト教世界の考え方とは、違う発想が可能となる。それが多くの世界的な研究を生み出している、ということ。この両方を言いたいようです。著者も、それを証明することは難しいが、感じているという。1神教、善悪2元論、といった思考文化が、柔軟な観察や発想を阻害している面があるのではないかと。
◆カミサンいわく、著者もふれているが、そういうことに加えて、研究の仕方の差がもたらしている面もありそう。はやりの学問に多額の経費を投入し、研究者もむらがり、ある分野が大きく前進する、という面はあるが、パタッと終わるのだそうです。本人が面白いと思うもの、人と違うことをやりたい、という、もっとも大事なところが欠落しているよう。日本人のノーベル賞受賞者が口をそろえて言っているように、基礎教育が大事なんでしょうね。はやりすたりでなく、諸分野にわたって裾野を広く、学生を育てていく、そのなかから独自性をもった研究が生まれてくる、ということだろう。むろん、昔のJSTの大型研究費のように、申請内容の達成の確実性でなく、未開拓の可能性についてじっっくり選ばれる、そういうメリハリも一方では大事。広く、そしてこれはというところにちゃんと研究費をつける、ということ。いまは、やたら「選択と集中」が誤って導入され、消化しきれない予算が、出来レースの申請につぎ込まれ、雲散霧消するものが多すぎる。
◆面白い研究をやろう。

フォトスキャン(4)

◆高密度クラウド。点群データ化。タイポント5万4000点で、26分。
◆点群3000万点。
あかん、こんなことやってる場合でない。座標がおかしい。

フォトスキャン(3)

◆どういうふうに写真を撮ったかは、左の写真をみてください。
◆次に、写真をまずはアライン。 
◆精度中で2分くらい?。タイポイントは54862。
◆ちなみに精度高にすると4分くらい。タイポイントは89772。いらんところを削って88583。
※あかん、こんな比較をやっていると、時間がなんぼあっても足りん。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
61
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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