人を幸せにする人になろう

ねごろ、もひとつ

◆今年度・来年度で、岩出市が史跡「根来寺境内」の保存管理計画を策定する。史跡に指定され、現状変更の取り扱い等を決めておくものであるが、ここの場合は、そもそも史跡になっている範囲が限定的なので、むしろ課題は、これからどこまで史跡に指定して保存を図っていくのかの検討が、大きな課題になろう。
◆史跡の保存管理計画策定の実際を必ずしも知っているわけではないが、いまわかっているデータから、保存をめざす範囲を定めたりするはずだ。その場合も、絶対に含めるべき範囲や、確認調査の必要な範囲など、いろんなグレードが考えられよう。実際には、現状の土地利用状況や、指定した場合の買い上げの緊急度などもあり、遺跡のもつ重要度のみでは決まらない。また、広大な遺跡であるので、史跡をめざすにしても、段階を設定することになろう。
◆だが、そうした現実はあれ、保存管理計画で将来的な史跡指定の範囲を見極める際には、基本は史跡として、遺跡に即して必要な範囲を見定め、目標を定めるものだ。
◆どういう人選がなされ検討が進められるのであろうか。原案は岩出市が和歌山県と相談しながら会議にかけるのであろうが、現状ではマトモな案が出てくるとは思えない。文化庁記念物課史跡部門も、ひどい計画案なら、はっきりダメ出しをしてもらいたいものだ。だいたい人選が定まって、年度後半には議論がスタートするのであろうが、文化財調査官も出席するんだろう。ま、うるさい人間を入れるはずもなく、とはいえ、あからさまにやる気のない計画も示せまい。お茶を濁すような、坊院が入っていないではないかという批判をかわすべく、多少、そうした部分を加えた案をズルく示してきそうなもんだ。
◆今回の調査地点がどうなるか、むろんそれが焦眉の課題。今年度、一条閣移転の設計をやるのだそうだ。来年度、保存管理計画案を策定する2年目の議論となるが、その一方で、あそこの取り扱いが会議で議論されぬよう、年度がかわるとすぐに移転工事に着工し、削平してしまいたいのであろう。
◆この記事を書いたのは、発掘地点の取り扱いがどう決着するかわからんが、保存管理計画という、県や岩出市がどういう姿勢でネゴロに取り組むか、それがアラワになる検討がこれから進められることを紹介するためです。どんなものが出てくるか、楽しみにしよう。

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雲楽
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1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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