人を幸せにする人になろう

相似墳はない

◆と言われ、全否定。くじけるよな~。が、墳丘規模が10歩(5歩)単位で決められているということは認めて貰ったようだ。各部寸法の設計原理は明らかにされたわけだ。個々の古墳復元のいくつかには違和感があり、また上石津ミサンザイなど汀が設計ラインと言われると、そんなアホなと思う。で、本質。P点にいくつかの類別があるとの見方が表明され、前方部相対長の違いは、OPの設定の仕方で分かれてくるのではないか。よく似たもののなかで、1:1:3と1:1:2.5があり、その差があることは認めるが、それよりもOP長の違いが系列差につながるであろう。
◆それと相似墳というか系列の問題だが、OP長さが1.5として半径の3.5倍で大まかに区分するという約束がひとつの設計伝統であり、そのなかで王墓の設計が更新の上で定められる。それをどう複製するかということは別途、検討される必要がある。ミサンザイと誉田御廟山が異なるのは王墓として仕様が更新されるからである。が、それは個々バラバラという意味でなく、型式の連続なのであり、それを復元すると、あるグループ=系列をおそらくなすと思う。共通する枠組みを踏襲しながら、次の王墓を造るときに枠組みとしての墳丘長があり、それに対してテラス幅をどう設定するのかで割り付けた場合に、個々の違いが生まれるのであろう。
◆そして、それぞれの王墓を規範として、その複製を造るということを、すなわち相似墳というのをまったく否定できるのだろうか。もちろん、複製といっても、これもまた墳丘長が違い、テラス面を一定の切りのいい値にするとなれば、個々に違ってくるのであろう。1:1:3といった原則にもとづきつつ墳丘規模に応じた個々の設計が細部では相違しよう。が、大枠はやはり類別されると思う。何が原則であり、どこまで複製するのか、そうした検討が確かにいる。が、やっぱり、王墓の設計の基底部平面形といった割り付けの骨格は守っているのではないだろうか。
◆全否定されると、しゅんとしてしまい、何をやってきたのか、やめなあかんということになってしまうが、そこはそうではないと思う。具体の設計原理が明らかにされた意義は大きく、それをふまえて、こっちもタイプ分けの妥当性を設計レベルで定義する必要がある。まったくかみ合わないのでなく、統合的に整理できるように感じた。

プラグイン

カレンダー

06 2024/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

最新トラックバック

プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

バーコード

ブログ内検索