人を幸せにする人になろう

新納さんの3権力系列

◆ウチの弥生の授業のなんとか終え、明日の神戸大学の授業の準備をサッサとやって条里の原稿を!と思いつつ、d7fbb62f.jpgなかなか進まず。で、神戸大での授業もあと2回、明日は継体の話。で、新納さんの権力系列論である。
◆結局、列島の中で、地域的まとまりの中で相互関係が強化され、利害関係の一致する圧力団体が形成されると。瀬戸内系列、日本海・東海系列、東国系列。新納さんのそれは6世紀のイメージを明確に出しているが、本文に明らかなとおり、早くから形成されてきているのだろう。5世紀の雄略は3者のバランスを取っていたと。日本海・東海系列は、さかのぼれば3世紀くらいになるのだろうし、近江を介して、東海と北陸が結びついているあり方は古いものだろう。これに対して東国系列もまた、原型は3世紀くらいなのか。しかし、物部が統括していく時期は6世紀になるんだろう。石上神宮があそこにあるのは意味があるのですね、ということに気づく(遅い!)。
◆瀬戸内は倭王権形成時からの保守本流。カヤとの結びつきが強い。しかし、5世紀後半、大カヤはあるが、次第に百済や新羅が台頭してくる。日本海と朝鮮半島との関係は、丹後に変わり、若狭や越前が5世紀に入りそれを担っていく。もひとついえば、有明海沿岸の、九州の独自のパイプもある、これ百済とされてますよね。で、案外と九州と北陸は結びついていると。
◆雄略は瀬戸内系列を弾圧し、大伴が台頭し、瀬戸内海上交通を担っていく(紀伊は北部勢力から南部勢力へ)。で、河内政権末期に、対外関係をカヤから百済へと基軸を移していこうとするなかで、日本海・北陸系列の圧力団体の選挙運動の結果、ヲホドがかつがれる。大伴のもとで、日本海・北陸系列や有明海系列も糾合されていく?。
◆で、そのあとだ。大伴は排除され、安閑が殺害され、欽明をかつぐ蘇我氏が急速に台頭してくる。蘇我氏は大伴の利権であった瀬戸内系列を吸収しつつ、日本海・北陸系列とも結びつき高句麗と接近する?。これで物部―東国との、東西2軸となり、587年に物部が倒されこれをも糾合し、蘇我氏のもとで権力の1本化が最終的に実現する。こうした筋書きが新納説ですよね。なかなか細部は、「どう考えてはる」のかわからないのですが。
◆最後は、その蘇我氏を倒すことで、利権がはりめぐらされた人民と土地が王権に直属し、領域支配への道が開ける。天下立評そして条里施工(検地)に進む。
※「○○しはる」という京都弁は便利である。「考えておられる」というよりシンプルかつ敬語的言い回しをせずにすむ。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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