人を幸せにする人になろう

根来はもう

◆『考古学研究』が終わり、根来寺関係のやるべきことはやった。ま、『ヒストリア』が刊行されたら、『考古学研究』の原稿74ca9731.JPGともども、また関係者に送付する仕事が残ってはいるが。ささやかながら、オレに一定の影響力があるとするなら、その範囲で、やれることはやった。普通の感覚なら、やらなしゃーないな、となると思うが、さてどうなることか。
◆ちなみに一乗閣移転の絵を示そう。これ出したらケチがつくのかな?。大阪市はすべて資料も議事録も公表しているが・・・。一度、情報公開がどれだけなされているか、和歌山県のホームページを訪ねてみよう。この西から見たパースで、へんな斜めの緑の高まり、これは階段遺構を残すためのもの。この絵の一乗閣の部位に、鯱瓦を上げた瓦葺き建物があったんですけどね。それこそ根来の玄関口のランドマークたり得るが、明治の建物をおっ建てるアホさ加減は救いようがない。
◆史跡になったら税制上も優遇措置がなされる?。オレにはわからんけど、結局は現根来寺の言うがママ、ということなんだろう。そして地元の観光業界、というか特定の商売人の意向、それで一乗閣の移転は動いているのである。岩出市もそれを後押しする。そんなんで、人がわんさか来るというのが幻想でしょう。それでもって知事もほだされ、和歌山県も協力せなあかんやろと、寄付を募り5000万ほど集まったと。やらなしゃーない。いまの知事の任期というのもあるのかもしれない。やったことのひとつとして挙げられるよう尻を叩かれる。教育長やら課長には、この事業を遂行することが厳命される。そこでだ。そこで、専門家がいるだろうに。岩出市長はまったく期待できない。2004年段階と変わっているかどうかしらないが、前に読んだ記事では、文化財の公益性より住民の生活だ、と言ったとか。住民に理解を求める努力をしたのだろうか。文化庁も手を焼く岩出市、が、今回の当事者は和歌山県である。首長の影響力の強い市町村職員はしんどい。市町村事業の前に文化財保護を主張することは困難。普通なら、広域行政を担う県が、そこを応援する支援する、必要なら文化庁に相談に行く。なんとかなりませんかね~、と。が、今回は、和歌山県そのものが事業者。相談は、記録保存で済ますことを了解しておいてくれという根回し。
◆あ~あ、書き出したらきりがない。和歌山県に対する文化財保護の補助金はすべてストップしろ、と言いたい。県内市町村から、そうして批難を浴びればいいのだが、それさえもないか?。そうや、史跡解除ですな。値しない、どんどん好きなように壊せ、と。あー腹立つ。まあええわ、火曜日の授業の準備にかかろう。
◆栄原先生が面白いことを言っていた。言ってもいいのだろうか。某寺の研究所長をやっておられるが、なにか決めたことが、寺全体で共有されないのだと、「聞いてません」と。ひとつの寺という全体の組織もあるが、構成単位の独立度がかなり強いみたい。先生曰く、近現代的な意思疎通だとか組織的対応とかとは無縁だと。そして、これこそ中世と言ったか、前近代と言ったか、まあ昔はそんなんやったんやろな~、いまだそうなんや、としみじみと。
◆ちなみに一乗閣、100年前の1911年に、夏目漱石がそこで講演している。「現代日本の開化」という題目で、なんでも「西洋の開化は 内発的であって、日本の現代の開化は外発的である」とし、数ある講演のなかでも、漱石の思想の核心を示すものという。全文は、以下。http://www.geocities.jp/sybrma/155gendainihonnokaika.html

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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