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最後の和泉市史

◆地域編もテーマ編も終わり、最後の巻、全体としてまとめたものが来年度に刊行される。10月までに通史編の原稿を提出することになっている。市史編纂事業は2000年の赴任より前に始まり、石部先生と広瀬和雄氏が担当で、横山編や松尾編にはかかわっていない。執筆分担は池田編から(刊行2011)。その後、テーマ編(2013)、信太編(2015)、(近世・近現代のテーマ編)、府中編(2024)まで、計4冊にかかわる。
◆和泉市史は勉強になった。とくに古代史の古いところ、茅渟宮とか茅渟県、根使主や茅渟県主についての、文献史側の見方は大いに参考になった。そして水利調査にかかわり、現在の地域開発の起点が6世紀にあることを学ぶ。4世紀くらいまでは考古学でこちらが考えてきたことだが、5世紀史くらいからは文献古代史とあわせて考えることが必要だ。淡輪の理解もそうである(第3系列としての西陵古墳の意味づけも)。そうやって考古学だけからみたものでなく、地域の歴史として総合的に考える訓練をさせてもらった。
◆新しいことはないが、市史編纂を通して考え、市史に書いてきたことを全体としてまとめる機会が最後にある、ということだ。平易に手短に。まあ手前味噌ではあるが、あたっているかどうかはともかく、世の中と遊離した考古学バカでなく歴史叙述になっているのではないか。地域の文化財担当者は、自ずからそういう姿勢になるはずだ。一方で、大学にいると、あくまで考古学的な研究の範囲になりがちだろう。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
61
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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