人を幸せにする人になろう

石垣と考古学者

◆金沢城でお世話になったお礼のメールをして、帰ってきた返信です。すいません、紹介させてもらいます。「城郭整備、特に石垣整備は解体修理が避けられないだけに、遺構のもつ歴史情報がどれほど繊細で、その保存が如何に重要かを誰よりもよく知っている考古学研究者が、もっと声を大にして発言してほしい」。
◆安全を考えると、危険なところは解体修理せざるをえない。一方で、石垣には、過去の修理など、実に豊富な情報があり、丁寧な発掘でそれを取り出す機会にもなる一方で、重なりをもつ遺構の履歴を消してしまう、という行為にもなってしまう。安全性の声が高まると、解体修理への圧力が高まる。しかし、ほんとうのところ、どこまで危ないのか、ということがどれほど追及されて、バックデータをふまえて、ここまでやらなあかんか、ということが決められているのか、という問題なんだろう。こないだ行ったときも、「将来に委ねる」という言葉が印象的でした。むろん、そういう側でも、この程度だから100年200年は大丈夫、といったデータは必要ではあろう。そのへんは経年的変化を正確につかまえられるのか、という課題が、金沢城で取り組もうとしているものであり、技術的な問題でもあるわけだ。
◆安全対策、といわれると、なかなか反論しにくい、という面が実際にはあるのでしょう。緊急 性のあるところには注意をむけるとして、全体として急がなくてもいい、じっくり観察しデータを整えておく、ひとまず安定している孕みを、なにがなんでも直すことはなく「将来に委ねる」、といった姿勢も必要なんでしょう。
◆岡山城では、解体修理すると平成の石垣になる、ということで、詰め物をして対応している話を前に岡山市教委の人に聞いた。これについても、その手法もだんだんうまくなってきて、なかなか見た目ではわからないように上手になっている、といった話も聞いた。間詰め石の落下、草が生えてくる、という点でも、この石垣の隙間に樹脂?をつめていく方法はいいのではないか、と思った。隙間を強化しておくわけで、石と石が接しているところはそのままだし、すべてをパックするわけではなく、水はちゃんと抜けるわけで。そのへんの判断について、また機会があれば聞いてみよう。文化庁が石垣整備の研究会を開催しており、来年1月は金沢城である。行ってみたいが、平日で教授会もあり・・・
◆自分がどこまで首をつっこめるかは、?、であるが。また、こう書いてきて、どこかの古墳のことが頭に浮かんだ。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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