人を幸せにする人になろう

国家の厳密な定義では、その後はどうなるの

◆考古屋は古いところをやるので、国家の成立を扱う。国家といえるのはいつか、理論派は厳密に定義したうえで、3世紀だの、5世紀やとか、やっぱり7世紀とか、議論します。そういう場合、古代以降はやらんのですかね~、と前から思っていた。律令国家も制度的には8世紀後半に変容を始め、9世紀の承和を境に変質し、10世紀は土地制度や税制が大きく転換しますよね。そして武家政権もできる。戦国期もある。考古屋が古墳時代について、国家といえるかどうかの指標を厳密にしてどうかという議論をするが、それらがず~と達成され続けているわけではないだろう。古代国家成立論者の理屈では、どこかで国家とはいえなくなる、ということではないのか、と。形骸化しながら国の枠はあっても、地域の統制は困難をきわめていくわけでしょ。
◆そういうことも同時にやってほしいと思う。できあがったあとはいいんだ、ではないはずですよね。それは必ずしも、国家かどうかという判定をしてくれ、と希望するというものでもない。ここまでは国家といえる、そのあとは国家といえなくなる、といった矮小な議論でなく、そういう指標を定めての長いスパンにわたる分析は、日本史をダイナミックにとらえるものになるだろうからだ。それと、古墳時代などの議論が、なにか宙に浮いているようなものになっていないか、という疑念でもある。そんな厳密にあ~だ・こ~だというなら、その後もやってほしいと希望する。
◆やっぱり結局は枠の成立が重要なのでは。制度はあとからついてくるのだ。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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