人を幸せにする人になろう

大学院ネガティブキャンペーン

◆大学院に行っても就職はない。これは文科省が大学院・大学院といって、また各大学も大学院生を増やし、少ない研究職のポストが増えたわけでなく、当然、ポスドクなどが多く生まれ、就職できないという事態になった。そういうことがマスコミでも取り上げられ、いかに大変か、またツブシがきかないという、意図はともかく、大学院に対するネガティブキャンペーンとなった。
◆しかし、マスターまで行って就職するというのはそれとは別の話で、理系でも文系でも、学部卒より能力をつけた者の就職需要はある。とくに理系はそうだとか。文系でも、大学院生は教職でもグレードの違う資格となる(名前は忘れた)。いま大学進学率が半分くらいにまでなったなか、さらに2年マスターで学び、一般含め就職する層が一定程度いることは順当なところだし、必要なこと。しかし、世の親は、先のネガティブキャンペーンで、大学院に行っても、行ったら、就職が難しくなると、誤った理解をしている。カミサンのところでの3者面談では、子供は大学院を希望しても、親が就職できなくなるから反対しているのだとか。
◆実態としても、いま3回生の終わりくらいから就職活動が始まり、早くに決まるものはいいとして、夏を越え、秋になり、という場合も少なくない。つまりは大学の学部教育においても、ある分野の専門の世界で、自分で深く考えるという、卒論、卒業研究を、ちゃんとやらないまま適当なものをまとめ、大学も出していくわけである。従来の(いつ頃までの話かは???)学部卒とは、ずいぶんと変わってきているわけだ。そういう意味で、もっと大学院に進学し、修士までやる人間が増えてこないと、まあこの社会の人材の総力量は落ちるわな。
◆いま人生は長くなり、定年も伸びている。高卒の半分が大学に行くのだとしたら、その半分くらいはマスターに行くくらいになっていいはずだ。むろん向き不向きで、早く就職した方がいい人間もいるだろう。が、一般論として、マスター出で、しばらく前の学部卒くらいということ。長寿化のなかで、学部4年+マスター2年の計6年、高等教育を受け、自分でしっかりものごとを考えることのできる人材となり、社会に出ていくことが普通になることが望ましい。そういうマスターの裾野が広がらなければ、さらに研究者を目指そうという者の人材も先細りとなるだろう。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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