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人を幸せにする人になろう

図面を作っています

◆大学院入試で研究室。現地説明会にむけて図面をいじっています。調査区図です。 
◆全体図も作りました。
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2016年9月5日(月曜日)久津川車塚 第6週突入

◆天気くもり、ときおりパラパラきたが1日もつ。参加。城陽市担当者。自分。長友。道 上・阿部(市大)。コンマ1・宇佐美・安藤・木下・佐藤・園木(立命)。泉(奈良大)。相馬(近大)。別働隊として整理室で大澤・園原が出土埴輪の点検。
◆朝、シートをめくりレーザースキャン。木下・泉は図面の準備をする。スキャン中(写真)、テラス面調査区に上がる。10:30過ぎにはスキャン終了し、11名が平面図にとりかかる。いや~、下図があるもんでスイスイ。明日には終わりそう。が、立面下図は今日の補足のスキャンデータを合成し、昨日の割り付けにしたがって陰影図が上がってくるのに時間を要する。週の後半はまたテラス面に上がり完掘までこぎつけ、来週立面を書いてメデタク終わり、かな。(1)埋葬施設の始末と、(2)墳端の点検、も週の後半ですかね。

くびれ部立面

◆3次元データがあるので、立面はいかような角度からでも画像がえられる。これに対し、手測り図 は、ある特定の角度から見た2次元図であるわけだが、1/10で人間が図を描くことも必要。で谷部。今回は平面は国土座標。立面は造り出し北辺は昨年の造り出し座標、後円部は谷筋部の列石(長い方)を基準とする座標とする。

囲形埴輪部のフォトスキャン画像も合成

◆こんなんです。こうやって見ると、レーザーの方が点群データが均質に取れるのではあろうが、 フォトスキャンはデータは劣るとしても画像が貼り込まれ、垂直写真(だけじゃないですが)としても、それを手測りの下図にするにしても、すぐれていますね。今回は立面図についてフォトスキャンで下図を作ってみる気力はもうなく、月曜日にレーザースキャンの補足をすることにしており、造り出し北辺と後円部の立面の下図をそれにもとづき作ってもらうことにしている。が、明日、列石部の部分写真をデジカメで撮っておこうと思うが、ついでに立面図合成の実験用の画像も撮影しておこう。
◆こうしたオルソ画像の作成を自分でできるようになったのは前進である。が、テラス面調査区くらいのトレンチが適度な大きさなのに対し、本調査区は対象がでかく、これらについて全面的にフォトスキャンでやるには、一定の手間を要する。外注の方が楽ではある。
◆ちなみに前に座標がおかしいといった埋葬施設の断ち割り部も、問題なく解決しました。
◆今週は大学院入試のため、火曜日・水曜日はおりません(午前は顔を出すかも・・・)。台風が心配ではあるが、まあなんとかなるのでは。明日、戦力がどのくらいか。朝イチでシートをめくりレーザーの補足をして、終了後、一斉に平面図にかかる。(1)墳裾の処理、(2)埋葬施設の始末、(3)テラス面の掘り上げ、という課題が残っており、14日終了をめざそう。

2016年9月2日(金曜日)久津川車塚

◆城陽市担当者。工藤さん+2。自分。道上(市大)。木下・日下(立命)。田口(奈良大)。見 学、奈良大S氏、国立天文台K氏。
◆シートを開け、追加の掃除をし、足場を組み、雲を待ちつつ写真撮影。
◆第4Q。みな疲れつつテラス調査区に上がる。基底石らしき動いている石も穴のなかに放り込まれたものらしい。後円部側の壁にこれに続く基底石らしきものがのぞくが、これも位置は深く穴のなか。来年は両サイドの拡張が必要。テラス面の礫敷・・・、いったいどうしたらきれいに仕上がるのでしょうか。間の土のほじり、一帯礫のようにせざるをえないんだろうが、石が小さいし、おさえつけながら掘るのはメチャ手間である(撒きたい・・・)。埴輪より西では礫敷はほとんどなくなり、盛土面らしき層をつかんだ(こっちは楽)。

2016年9月1日(木曜日)久津川車塚

◆昨日に比べるとやや雲がある。参加。城陽市担当者。自分。道上(市大)。園原・土井・ 木下・日下・山本(立命)。田口(奈良大)。作業員さんは、工藤さん+1。
◆全面清掃。埋葬施設調査区周辺からはじめ、本調査区まわり。調査区内は上面から始め、造り出し南辺(稜線部は下に降り石のところまで)、後円部下段テラス削平面(写真)、それから斜面に取りかかり、石のない墳丘斜面部の薄皮削り、そして葺石たち。なんとか1日かかって、調査区下端までたどりつく。乾いた部分は水を撒きシートをかける。4m深掘り斜面もこれまでシートで守ってきたので、あまり乾いておらず黄色がちゃんと出ている。明日、朝には全面取っ払い、調査区まわりもきれいにしてあるので、10時過ぎ以降から写真を撮る予定。適度に雲があればいいんですけど、夕日がきれいでした。
◆3段分のやぐらも搬入され、さて、明日はどれくらいかかるでしょうか。15時くらいまででしょうか。据え変え作業がいちばん大変。人も最低限しかいないようである。あとは台風の 進路。いまの天気予報では、土・日・月と雨模様という。まあ明日写真を撮ってしまえば一段落で、好天だったらオープンにしときたいのだが、まあシートをせなあかんでしょうね。来週の天候は運次第・・・。
◆ちなみに槽形埴輪が洗浄され接合され上がってきました。今晩、実測している人がいます。またちなみに、本日の清掃中。裾部近い位置で埴輪片がまとまっており、残しながら放っておかれていたものがあり、取り上げてもらいましたが、どうも水鳥のようで・・・。

深掘り部オルソ座標やり直し

◆画像の合成はうまくいき、断ち割り両壁面ともちゃんと写真を貼った画像としては穴なく できあがった。夜、処理に時間がかかることもあって、そこまでしかできていなかったが、深掘り部、槽出土状況、カコイラ掘り上げ部の3つについて、座標を入れてオルソ画像の完成をめざした。が、深掘りは座標値を入れると誤差が大きく、真上になっていない。今年の基準点から遠く、また深いのでチビミラーの眼高も上げているので精度が悪く、また誤差からすると数値のメモがおかしいのかもしれない。釘のある今のうちに、ちゃんと基準点を近くに運び、再度、座標を測っておく必要がある。それと釘頭に貼るシールは赤など目立つものの方がよい。
◆槽の出土状況はうまくいった。カコイラ埴輪片集中部の最終掘り上げ後の状況もうまく いった。この範囲については、埴輪出土状況の段階のレーザー陰影図に貼り込んで差し替える予定。

2016年8月31日(水曜日)久津川車塚

◆快晴。秋めいて過ごしやすいのではあるが、午後後半は西日できつい。参加。城陽市担当者。自分。道上・伊藤(市大)。園原・木下・日下(立命)。泉・田口(奈良大)。相馬(近大)。見学。日本大学一行(引率H氏・Y氏)、ロシア研究者、福島大K氏。岡大院生。
◆朝、10:30過ぎからの見学者があるので、葺石を全面開ける。壁はむしろ乾かないよう保護。全員、テラス面に。自分は資料をプリントしようとするもPCがバッテリーアウトでやめ。昨日掘り上げたカコイラのところ。レーザースキャン時と変化したところについて、範囲を泉さんにシールをはって示してもらい、そこのフォトスキャン用の撮影をする。→レーザー陰影図で平面図の準備をしているが、変わった範囲はフォトスキャン画像に置き換えたい。
◆さてテラス面。調査区上端の葺石、上段裾部付近の撹乱?部の精査、テラス面の礫出 し、 埴輪廻りの精査、そこから調査区下端へむけての盛土面出しと、それぞれやってもらう。途中の写真を出せてませんでしたが、ほぼ全体像はわかってきた。晴で西日がコウコウと当たっているでしょ。暑いっす。上の写真は15時段階(後述の撹乱内の石はまだある)。一番手前に埴輪列があり、4個体分が入るも、1個は抜き取られている(抜き坑はぜんぜん掘り切れていない)。上に葺石があり、その間の礫敷をご覧あれ。
◆いちばんめんどくさく、難しいのは礫出し。ほんま礫をぜんぶ取り上げて、盛土面まで出し、礫を上に敷き詰めたい!、気持ちである。礫は動き、また浮きしており、基本は流土中にある。確実な盛土面に載るものもあろうがわずかで、確実な盛土面まで出すと、ぜんぶ礫は浮くだろう。やれることは土を除去し、礫のない土部分を下げ盛土を出し、それからするとやや浮いているような格好でも礫面を残していくほかはない。礫に高低差が生じても、できるだけ石が敷き詰められているように仕上げる。すこし差がつきすぎると、上の礫をはずし、下の土を下げて石を戻す、といったようにすることだ。
◆現状で言えば、埴輪の外50㎝程度は礫敷きが残っていそうだが、そこから下方はやや緩傾斜となっており、テラス面が流れている。
◆さて上段基底部。本日、基底部付近について、道上・園原に掘ってもらい、バサバサし た土に葺石転石が入った状態が下に続くので、ちょうど傾斜変換の裾部に大きな撹乱が入っているとの認識に達した。残してきた石をガバチョと取り去り、撹乱底で盛土面を確認(写真)。今日は、基底石だっただろう大石2石のところまでの掘削には至らなかったが、これらも、この裾部に坑を開ける人的行為の際に、出くわした石をはずして掘り込み、そのあとに放り込まれたものだろう。この2石、埋め戻しの際に基底石風に推定位置に置いてもいいが、基本的に確認後、取り外すんだろう。この撹乱をはさんで、上に生きた葺石が、下に残存礫敷の始まりが来る、そういう仕上げになるだろう。
◆1ヶ月が終わりました。なにやら、自分も含め、皆、くたびれてます。

明日以降

◆31日(水)はテラス面の完掘をめざす。でもあせらない。今週末の写真は谷部でよいので、予定通り木曜日に全面清掃し、金曜日に完掘写真を終えたい。あわよくばレーザースキャン第2弾も。そして5日からは予定通り図面に進む。

2016年8月30日(火曜日)久津川車塚

◆昨夜来の雨は、けっこう溜まっていたと思うが、現場に到着する時点では、工藤さんが朝早くからポンプで水を抜いてくれており、ほとんどわからなかった。朝方はまだ雲も多かったが、だんだん晴れ間も広がる。少し前からアキツが飛ぶことに秋を感じてはいたが、今日の気温と風、それと17時前の暗さ(これは雲によるところが大きいのだろうが)に、「夏が終わった」と。
◆参加。城陽市担当者。自分。木下・山本(立命)。泉・田口(奈良大)。相馬(近大)。山本は午後参加なので、朝は自分を入れて5人(工藤さんも別現場)。なので、全員で谷間カコイラ埴輪集中部の、残る埴輪を取り上げつつ本来の葺石仕上がり完掘にいそしむ(写真上は12時段階、下は16時段階で、のち16:50分までやった。最終仕上がりの写真はまた後日)。
◆谷筋より後円部側で円礫がまとまっており、埴輪の据え付け面だった可能性がある。礫面 そのものは本来のままではないだろうが、礫面として遺存するのがこの部位。それを認識する直前に少し円礫をはずしたが、それでも谷筋より造り出し側ではほとんど遺存しない。囲いは谷筋に置いてほしいが、最終的な完掘状況からも、後円部側にやや平坦面を設けているように思われる。ほぼ埴輪はバラバラに散っているので、本来の据え位置そのものが後円部斜面寄りだったか確定はできないが。
◆昨日終盤(だから昼)に槽形埴輪が確認でき、写真を撮ろうと掃除していたが降雨のため、本日になる。出土状況の写真を撮り、そののち4ポイント石にシールを貼って座標を 出し、フォトスキャン用の写真撮影をしたのち、取り上げる。なお、出土した地点に80%の破片があったが、のち先端部の破片が上手から出土した。
◆このほか囲いの角部トゲが石の間にささっていた。ここの囲いは、屈曲部(やや丸みをもたせているとはいえ楕円ではない)にまたがって屈曲するトゲを造り出している。前により大きい角部の破片が出ているが(側面トゲ付き)、それと同じようなトゲ付近だけの破片だが、新たに出土した。こうした主要破片も座標を記録して取り上げている。で、本日、なお取れる石はないか最終点検をやり、浮いているような石 も残るが、これらはカミ合いからズッて上に乗っかっているものとして残しているもので、ほぼ完掘に至る。はずしたのが誤りだった石が0とはいえないが、ひとつふたつ程度かと思われ、ほぼ納得できる完掘である。少人数で集中してやり、相互に意見を出しつつ、慎重に作業を進めることができた。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
61
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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