人を幸せにする人になろう

電子黒板とスマホ

◆パワポで授業をやっていると、スマホで写真を撮っている。どこまでの資料を作るか、どこまでの画像を写すか、これはこれで考えないといけない。ついつい文字が多くなってしまいがち。が、要するにノートを取るということをしないわけである。写真を撮っても、見返すとは思えない。まあ、自分の授業が魅力的で、熱心に聞き、メモしようと思わせる内容になっていない、ということなんだろうな、とは思う。が、受講する側も、ノートを用意し、プリントはプリントとしてノートを取る、という習慣がないのではないか。うちの学生はちゃん取ってる人がいますけどね。
◆よくわかりませんが、高校まではノートを作っているんでしょうね。でも大学に入ると、いまプリントとかパワポとか、行き届くと、逆に手を動かさないようになる。自分が大学生の頃をことを思い出すと、図とか話すための資料がプリントで配られ、基本は板書だったんでしょう。そういう意味で、ぜんぶ書いてあるプリントを配るのはよくないんでしょうね。コピー機の普及もある。また、そういうものを受けとるのが当たり前になっている現状にも問題があるのかもしれません。カミさんは基本的に板書らしいです。
◆表題の話を忘れてました。学校に電子黒板が導入されても、生かされてないと。そもそも不要なんでしょう。黒板が簡便。生徒はノートを取るべし。

ガラパゴス化こそ

◆近藤先生が「進歩とは何か」というのを書いたことがありました。多様性ということでした。ガラパゴス諸島は、孤立的だからこそ、独自の進化をとげ、ほかにはない独特の生物を生み出した。そこに価値が生まれるわけです。むろんある時、絶滅するかも知れません。しかし多様な発展をとげているからこそ、生き残るものもある。逆に統一的になれば、それが適応できないような環境変化などの条件変化で、たちどころに全滅する。
◆日本の近世を鎖国と表現するのは間違いとのことだが、しかし制限されていたことは確かで、そのなかでこそ、独自のアートが育った。ジャポニズムは多大な影響をおよぼす。たとえば浮世絵。これは決定的に19世紀中頃以降の、美術の潮流に影響を与え、大胆な構図や、いまのマンガに継承されるような輪郭線で表現される抽象の世界をも生み出した。そうした独自的なあり方こそが、普遍的な価値にもなりうる。グローバル化なんて糞喰らえ、である。ガラパゴス化こそが、生き残る手段ではないのか。
◆話は変わるが、プレゼン力なんてなくていいのだ。中身のある論文を書ければそれでよい。両方そなわっているに越したことはない。が、中身はないけどプレゼンはうまい、とプレゼンはヘタだけど中身は面白い、絶対的価値は中身にある。英語もそう。英語で発信する能力のあるヤツは、いまやアマタいる、中身がともなってればむろんよろしい。が、英語の発信能力なんかなくても、中身の方が大事なのである。中身あっての発信力でしょ。中身があれば、寄ってくるのだ。
◆極論すれば、発信されなくても、自分が到達すればよいので、中身が優れていれば、いずれ表に出て、死んだあとでも評価される。それでいいのである。が、人間は、認められてチヤホヤされたいなんていう煩悩を捨てきれないんだろう。だが、ほんとうに好きなものであれば、別にほかの人はどうでもよく、どうみられようが関係なく、自分の達成感で幸せになれる。外部の見方など、本来、どうでもいい。知的な営みというのは、本来はそういうものなんだろう。

続き

◆中学生の演奏風景や小学生のヨサコイソーランの画像を出してもいいのだけれど、まあよいとし て。風邪を引き、鼻ずるずるで、これはさっと引き上げようと思いつつ、 最終的に仕上げられた模型と鉄器埋納遺構だけは仕上がりを見ておかねば、と。
◆ひとつは乙訓の模型。城陽・芝が原とともに、焼き物製の模型にかかわった。乙訓のものは、欠席した時に審議があったようで・・・。広域なので、古墳そのものは小さく、古墳は縮尺を2倍大でもと思うが、会議で言ったときは、もう固まったあとだった。立体模型というのはやはりよい。
◆鉄器埋納遺構。これはモノクロ写真に色をつけて、実大で陶板に焼き付けたもの。
◆それから脇のところの物販で、前方後円墳マットと、古墳のマグネットを売っていた。前方後円 墳マット、もうちょっと価格が安ければ買ってもいいんだけど、ちと高 い。

26日は長岡京市恵解山古墳オープニングセレモニー

◆この手の招待状をいただいたことはまだ少ない。整備にかかわり、できあがってくる案件がまだ 多くはないので。これまで2つあったが、都合がつかずでなかったが、今回は空いていたので行くことにする。都出先生、高橋かっちゃんと同席。なかなか全市をあげたにぎやかなもの。儀礼的側面もあり、国会議員やらが同席したり祝電披露なんかはイヤだが、全体に、中学校の演奏や、小学生の踊りやら、またサポート部隊の物販など、全体として地域密着的で好ましかった。ほかは知らないが、いい経験だった。

天王寺動物園

◆あんまり乗り気ではなかった。なんでだろう。見せ物として本来の生息地から切り離され、かわ いそうに隔離されている姿が、なにかいやだ。が、だんだん面白くなる。かなりお客さんで賑わってもいる。子供たちは楽しそうだし、大人も異空間として楽しめる。やっぱりホンモノで、動くからこそ面白いんでしょうね。じっと動かない動物はともかく、うろうろしている動物は見ていて飽きない。動物園は、子供が小さい時に、多摩動物園と横浜ズーラシアに行ったのが最後で、ほんとうに久しぶりである。
◆で、天王寺という場所が面白い。ハルカスとの対比。

ノーベル賞

◆まあ中身はおいといて。湯川博士以来(厳密には中性子理論は1945以前でしたね)、日本の研究が多くのノーベル賞受賞者を生み出してきた。それは戦後の高等教育が優れたものだったことを示す、と。が、いまはどうだと。役に立つ、ということが重視され、人文学も理学も役に立たんと。欧米では、そういうものこそ大学であって、医術や法律や経営やらは専門学校なんだということを聞いたことがある。世界でも変わってきているのかもしれませんね。
◆理系の話として、役に立つものを重視する方向により、将来、ノーベル賞が出なくなるなるだろうというのが、カミさんの弁です。
◆人文の世界でいえば、新聞を示した美術館とか、北木島とか、地域地域にある人々の暮らし、そこで培われてきたこと、そういうものを大事にして、暮らしを維持し、元気になろうと、人々は努力している。別に中国に勝つ必要はまったくなく、ふつうの暮らしができればそれでいいのだ。日本のモノ作りに将来はない、という話も聞く。グローバルなんか、東大に任せておけばいいのだ。町工場で図面が読めてモノを作る、これまでそうだったように、工学部を出てればこれくらいのことはできるという中間層を十全に社会に送り出し続けることが大事なのに。学力の低下とグローバル化とかなんとかいう旗振りとのギャップ、現実を知らない官僚。何をやるのかを間違っている、という話。そんなことやってる場合かと。英語とちゃいまっせ、いまの大学生に必要なのは。読み書きそろばんです。

教授会は浦島太郎

◆サバティカルが終わり、教授会に久しぶりに出てみると、まあいろんなことが・・・。博士後期課程 の募集を社会人に広げるとか、時間割の変更とか、今年度までで認証評価を受けるので、いろんな業績調査やら学生への授業アンケートだとか、大学院の共通科目とか、人文論叢の廃刊とか。そのなかでも文科省の通知だ。教授会は審議する所で決定機関ではないと定められ、学長に権限を集中するのだとか。で学則やらなにやら、ぜんぶ改めろというお達しのようです。執行部でなんでもかんでもできるわけではないですよ。むしろ責任をもたせ任せないとダメだろう。
◆限られた人材、そのマンパワーを発揮させるためには、やる気を出させること。やる気をそぐことではない。ガバナンス大いに結構。が決定権をトップに集中させ、上意下達でやろうとしても、思うように動きませんよ。
◆教育委員会制度と同質ですね。合議制で合意形成を大事にしてきたわけだが、そういうものはダメだと。ひいては民主主義の否定につながりますね。もう記事は挙げないが、こないだ内田樹が書いていたことにも通じる。見かけの改革が何かを決定できることを示し、迅速な対応というスピーディー感を醸しだし、是とされるが、本来、民主主義というのは時間のかかるもんなんだ、ということが一顧だにされないことへの憤慨がよく現れていた。
※画像は、高校の職員会議。まったく同じ構図である。

ロゼッタストーン

◆来週の博物館概論でロゼッタストーンを調べていたら、元の姿の図を見つけた。なんでもプトレ マイオスⅤ世の勅令、中身は宗教勢力への便宜?を感謝し、神官界が王に従うことを表明する記念碑ということのよう(正確でないかもしれません)。
◆ニムルドのこと、アッシリアのことを調べていた。レイヤードだったがが発掘し、例の有翼神獣像というのかな?が、ニムルドで10対くらいが発掘され、大英博には2対、ドイツに1対、シカゴに1対、とかなんとかを知る。ニュースソースを忘れたが、ネットでしょう。重く、大変だったようですが。
◆でアッシリアって何?ということになり、西アジアの本をざっと電車で読む。少し調べると、そう、むかしO先生の講義で覚えたことがよみがえりました。ハッスーナ、ハラフ、ウバイド、ウルク、ジャムダッドナスル、初期王朝でしたか?、アッカド、ウル3、イシンラルサ、なんとなく思い出しましたが・・・。なんでも縄文前期頃以降くらいのところのようです。
◆ちなみに、略奪文化財という観点で調べているのです。

北木島

◆大阪城の石垣も中途半端にしかできていないが、石切場には行ってみたいとは思っている。前か ら、国の史跡を含め文化財指定をやっている小豆島には是非渡りたいと思っているのだが、果たせていない。
◆友が島の桟橋が台風でやられ復旧の見通しがないということらしい。新聞は切り取っておかなかったが、最近も、要塞跡の新聞記事を見た記憶があり、出かけていく見学者も多いようなことだったと思うが、渡れない状態になってしまっているらしい。

酸素同位体

◆こないだの陵墓の会の時に、Mさんが寄ってきて酸素同位体の話をしてきた。東京であった邪馬台 国のシンポのテーマが年代論。冊子を送ってもらい、そのなかで、中塚さんの研究の概要を知る。結局は年輪にもとずく標準パターンなのだが、年輪の幅でなく、酸素同位体によるパターン作りをして、あてはめていくらしい。ということで、原理の概要を知る。
◆倭国大乱というのが、いつも引っかかる。倭人伝は「倭国乱」だから。それと歴史的事象と結びつけること。そうしたいのは理解できるのだが、それを話題に打ち出されると、とたんに怪しく感じてしまう。データからうかがえる当時の気象について淡々と語ってくれればいいのだけれど。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
61
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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