人を幸せにする人になろう

ガラパゴス化こそ

◆近藤先生が「進歩とは何か」というのを書いたことがありました。多様性ということでした。ガラパゴス諸島は、孤立的だからこそ、独自の進化をとげ、ほかにはない独特の生物を生み出した。そこに価値が生まれるわけです。むろんある時、絶滅するかも知れません。しかし多様な発展をとげているからこそ、生き残るものもある。逆に統一的になれば、それが適応できないような環境変化などの条件変化で、たちどころに全滅する。
◆日本の近世を鎖国と表現するのは間違いとのことだが、しかし制限されていたことは確かで、そのなかでこそ、独自のアートが育った。ジャポニズムは多大な影響をおよぼす。たとえば浮世絵。これは決定的に19世紀中頃以降の、美術の潮流に影響を与え、大胆な構図や、いまのマンガに継承されるような輪郭線で表現される抽象の世界をも生み出した。そうした独自的なあり方こそが、普遍的な価値にもなりうる。グローバル化なんて糞喰らえ、である。ガラパゴス化こそが、生き残る手段ではないのか。
◆話は変わるが、プレゼン力なんてなくていいのだ。中身のある論文を書ければそれでよい。両方そなわっているに越したことはない。が、中身はないけどプレゼンはうまい、とプレゼンはヘタだけど中身は面白い、絶対的価値は中身にある。英語もそう。英語で発信する能力のあるヤツは、いまやアマタいる、中身がともなってればむろんよろしい。が、英語の発信能力なんかなくても、中身の方が大事なのである。中身あっての発信力でしょ。中身があれば、寄ってくるのだ。
◆極論すれば、発信されなくても、自分が到達すればよいので、中身が優れていれば、いずれ表に出て、死んだあとでも評価される。それでいいのである。が、人間は、認められてチヤホヤされたいなんていう煩悩を捨てきれないんだろう。だが、ほんとうに好きなものであれば、別にほかの人はどうでもよく、どうみられようが関係なく、自分の達成感で幸せになれる。外部の見方など、本来、どうでもいい。知的な営みというのは、本来はそういうものなんだろう。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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