人を幸せにする人になろう

博物館実習Ⅰ

◆博物館実習Ⅰ(学内実習)で、まず3館の見学実習を課しているが、今日は大阪歴史博物館を見学してもらって、わ1b1fa5ba.JPGりと細かく挙げておいたチェック項目にしたがったレポートを出してもらい、それをもとに意見交換する回が今日だった。はじめてのことで、どうなるかと思ったが、なかなかよかった。1対28人(受講生)でやっても益はないので、5人グループになってもらい、各班ごとにまずは意見を述べあい、それをグループ発表して貰う方式を取った。30分ばかりのグループ討論を見ていると、みな積極的に意見を表明しあっていて、なかなかいい風景だった。
◆自分が見てきてまとめたレポートがあり、グループ内で違う意見も聞き、そしてまた全体討論でもさまざまな見方を知ることで、気がつかなかった新たな発見もあるだろう。
◆そのために、自分自身も改めてじっくりと大阪歴博を見る必要があり、過日訪れた。3時間を要した。伊藤純さんに偶然でくわし、学芸の部屋でお茶をいただいた。また伊藤さんと大阪市の文化財の話をいろいろする。
◆もはやオレが改めていうことではないが、やはり考古博物館として企画がスタートしたことで、近世・近現代はすこぶる弱い。また、中世も石山本願寺以降、そこは天守閣があるものだから、城下町の調査成果などが取り上げられてはいるが、豊臣大阪城や城下町作り、そして徳川へというのも、概略は示されても、正面切っての本格的なものは天守閣に譲っているため弱い。
◆そして近世、近現代、大阪市の歴史博物館だから、ふつうは都道府県立レベルの総合歴史博物館であるべきだし、近世大坂、近代化など、いくらでも取り上げるべきことがらはあるが、おざなり感は否めない。そこはしかし器はあるのだ。模型などを中心とする各フロアの半分はそのままにせざるをえないだろうが、西半分の資料展示は、いくらでもやりかえられるだろうに。そこは図体がでかく、常設展示リニューアル委員みたいな権威ある専門家集団のご意見を聞きながら、というこed9beb22.JPGとになるのかもしれないが、果たして学芸員はそれでいいのか。大きな改変は一定年限が経過しないと見直さないのだろうが、そんなことあらへんだろう。近世・近現代専門の学芸員は、あれで満足なんだろうか。博物館内部でプロジェクトチームを作って青写真を描き、できるところから展示替えをしてパネルを作ってやりかえていけばいいのに、と思う。
◆みんなの意見を聞いていて、例えば、法円坂の倉庫群、博物館の前に表示しているのだが、あそこに倉庫が並んでいたということが伝わっていないようだし、10階の後期難波宮のところで、説明が流れて?窓が開いて実際に難波宮が眼下に見下ろせるというシカケも理解していない者もいるようだし、8階だか、なにわ考古研究所が手前にあって、奥で企画展をやっているのがわかりにくく、通り過ぎる人がいるのではないかという指摘には、なるほどと思った。企画展では建築家の展示をやていて、とても面白かったが(写真)。法円坂の倉庫は、子供が広場で走り回るということもあるのかもしれないが、あんまりいないですよね。全部に丈50㎝程度の柱をにょきにょき取り付けても、あの広大な空間利用に大きな影響はないのではないか。などなど、いろいろ考えるところがあって面白かった。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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