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大阪市立大学、学長選挙廃止

◆公立大学法人の理事長または学長は、以下のように決める。

地方独立行政法人法
第71条 公立大学法人の理事長は、当該公立大学法人が設置する大学の学長となるものとする。(後略)。
2 前項の規定により大学の学長となる公立大学法人の理事長の任命は、第14条第1項の規定[理事長は、次に掲げる者のうちから、設立団体の長が任命する。]にかかわらず、当該公立大学法人の申出に基づいて、設立団体の長が行う。
3 前項の申出は、学長となる理事長が学長となる大学に係る選考機関の選考に基づき行う。
5 第1項ただし書の規定により学長を理事長と別に任命するものとされた大学の学長の任命は、当該学長を別に任命する大学に係る選考機関の選考に基づき、理事長が行う。

◆大学に選考機関をおき、そこで選考された者を設置者に申し出て、大阪市長が任命する。
以下、Hijicho

日本維新の会によってYoutubeにアップロードされた8月9日の橋下市長の記者団に対する発言内容 (http://www.youtube.com/watch?v=H1Kn1IBk3Rc) を書き起こした。以下がその内容だ。

市長:大阪市立大学が、学長を学長選挙で選ぶというふざけたことを言ってましたが、そんなことは許しません。学長を選ぶのは市長の僕であり、選考会議なわけですから、それを教職員全員で違法投票をやるなんて話が僕のところに上がってきたので、とんでもないと。そん な何の権限もない、何の責任も持っていないメンバーが学長を選ぶなんて、一票を投じるなんて、そんなことはまかりならんと突き返したんですけどね。

◆法律違反は市長です。「規定どおりきちんとやればいいだけの話なんですよ」(橋下氏の言 葉:申出にもとづいてアンタは任命したらいい)。それなのに、市長の強い意向をふまえ、人事権を差し出します、と大学は申し出たわけか?。教職員はなんの責任ももっていないと。むろん最終権限者ではないが、教職員みな組織の人間として働いていますよ。研究者もひとそれぞれ、懸命にやっている人もいれば、そうでない人もいるだろう。が、「なんの責任もない」と言われたら、まあやる気をなくしますね。学内の委員会とか、学部の委員とか、そんなに一所懸命やらんでもいいんちゃう、授業やって点つけて、最低のことをやっとけばええやん、と。いま外部へのアピールとか、広報とか、懸命に上の方々はやっているし、ふつうの教員は、学生と向き合い、自分の研究をやって、つまりふつうの職務を通じて大学で飯を食わせてもらっている責任を果たしている。
◆大学のパワーは、教員+院生+学生の総力。そこをいかに力を発揮させていくか。そのためにガバナンス改革と称して牽引役を強力にしたいというのもわかるし、そういう人も必要ではあるんだろう。大事なのは「いかに力を発揮させていくか」の部分であって、誰であれ、上に立つ人はそこをどうするか考えなければならない。その時に、なんの責任もないと言われた教職員の意向投票という信任もなく、市長の意向をふまえて任命された者は、自発性にもとづく研究という営為こそが根幹である大学教員の力を、果たしてうまく引き出せるのでしょうか。あれしたらいかん、これせえとか言われることは、もっともやる気をそぐことになるのだが。
◆もっとも、今回の問題は、大学の方でそう決めたという情けない話。地独法を盾につっぱねることもできるが、運営費交付金のこともあるし、それはそれで苦しい判断だったのであろう。が、地独法は大学の自治を尊重した規定になっており、やはりそれはできない話である。任免権をふりかざしても(そもそも人を決める権限をもたないわけだが)、上意下達だけで組織はうまく機能しない。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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