人を幸せにする人になろう
- 日々の雑多な感想や記録を書き留めていくことにします―2008年6月~―
小山田古墳
◆3月2日に新聞発表されました。ネットでだいたいのことはわかります。豊浦寺の瓦片が出土したのだという。年代を絞り込む情報もさらにえられたということのよう。そして70mにもおよぶ方形墳ということからも、既に以前から名前が挙がっていたように、舒明初葬墓か蘇我蝦夷墓か、ということになってきた。さながら、7世紀中頃の、もっといえば改新直前の、大王と蘇我大臣の力関係がどうであったか、ということに確かにつながる。蝦夷説でいけば、『日本書紀』に書かれた蘇我の振る舞いを裏付けることになり、乙巳の変も理解しやすくなる。
◆榛原石の問題もある。確かに段の塚との近さが感じられるのであろうが、蝦夷だって使おうとするだろうし使えるのであろうし、必ずしも決め手にはならないだろう。それよりは解体されていることをどう理解するか、であろう。猪熊さんがいってるように、天皇の改葬事例で、初葬の古墳はほとんどわかるはずもないが、植山古墳は推古初葬墓とみるのが有力で、これは石室や墳丘を取り壊してはいない。東石室の石棺も残っている(改葬先が磯長谷だからであって、比較的近い場所なら石材等の再利用もありうるのかもしれないが、事例が少なすぎて、まあわからん)。一般論的には、新たに作り、旧の方はそのままにする、という方が理解しやすいように思う。また、白石先生のコメントのように、あれだけの規模のものを作り上げながら、改葬する理由はなかなか見出しがたい。あれが舒明初葬墓だったなら、飛鳥の都市整備ということも指摘されてはいるが、確かによほどの理由がないと考えにくいこと。解体されている事実は蝦夷墓説に有利なように思う。とはいえ、舒明墓が移設されたのは事実で、その理由は引き続き考えないといけないし、「よほどの理由」があったことも、「ありえない」と棄却できるわけではない。
◆そして場所の問題ですね。これについては既に議論があるところで、舒明墓があそこにあることを「ありえない」ともいえないし、一方で蝦夷墓なら「なるほどね~」と納得できるように思うが、議論が深まっていくことをながめておこう。わたしは宮ヶ原古墳や菖蒲池古墳をあわせたあの地域と、もひとつ南の平田梅山古墳の東西方向の地域、この墓域の区分に説得力を感じているところです。とはいえ、さらに小山田古墳の調査も継続するようですし、大陵とした場合、小陵をどこに考えるか、という調査や研究が進むことを期待しよう。
◆で、なぜ現地公開をしないのか。養護学校内ということへの配慮なのかもしれないが、ほんとうにできないことなのだろうか。7世紀史にとってこれだけ重要な調査成果が、公開されないことが残念だし、なぜなんだという疑問がわく。
◆榛原石の問題もある。確かに段の塚との近さが感じられるのであろうが、蝦夷だって使おうとするだろうし使えるのであろうし、必ずしも決め手にはならないだろう。それよりは解体されていることをどう理解するか、であろう。猪熊さんがいってるように、天皇の改葬事例で、初葬の古墳はほとんどわかるはずもないが、植山古墳は推古初葬墓とみるのが有力で、これは石室や墳丘を取り壊してはいない。東石室の石棺も残っている(改葬先が磯長谷だからであって、比較的近い場所なら石材等の再利用もありうるのかもしれないが、事例が少なすぎて、まあわからん)。一般論的には、新たに作り、旧の方はそのままにする、という方が理解しやすいように思う。また、白石先生のコメントのように、あれだけの規模のものを作り上げながら、改葬する理由はなかなか見出しがたい。あれが舒明初葬墓だったなら、飛鳥の都市整備ということも指摘されてはいるが、確かによほどの理由がないと考えにくいこと。解体されている事実は蝦夷墓説に有利なように思う。とはいえ、舒明墓が移設されたのは事実で、その理由は引き続き考えないといけないし、「よほどの理由」があったことも、「ありえない」と棄却できるわけではない。
◆そして場所の問題ですね。これについては既に議論があるところで、舒明墓があそこにあることを「ありえない」ともいえないし、一方で蝦夷墓なら「なるほどね~」と納得できるように思うが、議論が深まっていくことをながめておこう。わたしは宮ヶ原古墳や菖蒲池古墳をあわせたあの地域と、もひとつ南の平田梅山古墳の東西方向の地域、この墓域の区分に説得力を感じているところです。とはいえ、さらに小山田古墳の調査も継続するようですし、大陵とした場合、小陵をどこに考えるか、という調査や研究が進むことを期待しよう。
◆で、なぜ現地公開をしないのか。養護学校内ということへの配慮なのかもしれないが、ほんとうにできないことなのだろうか。7世紀史にとってこれだけ重要な調査成果が、公開されないことが残念だし、なぜなんだという疑問がわく。
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プロフィール
HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。