人を幸せにする人になろう

2012年12月27日第5回ねごろ保存管理計画策定の委員会

◆当日の委員の意見もふまえて修正されていくであろうが、この日示された策定書案から状況を。まず、保存管理計画の策定範囲は、旧境内地全体とすると謳う。そして①史a204ad40.JPG跡地②史跡指定予定地(黄色)③「史跡指定地周縁ゾーン」(青)④その他の旧境内地(破線)、に区分する(地図の通り)。いまさらですが、③は蓮華谷川以東とし、その西側の南北尾根ははずされている。一乗閣移転の話がなければ組み込まれたかも・・・。
◆③史跡の周縁ゾーン(民有地がほとんど)、いまの史跡の「周縁」なので正確な表現。だが、ねごろの本体だ。そこの説明。「追加指定の必要性は高いが現段階では予定されていない地区」、「遺構・遺物が確認あるいは考慮される地区」。役人らしい表現ながら、これまで発掘して、ほぼ密に遺構が集中する子院中心部である。「考慮される」どころではない。
◆そこの保存管理案は次のよう。「長期的な史跡の追加指定も視野に入れながら、保全に努めていく必要がある。民有地については、調査して遺構が出た場合は、記録保存していくことを原則とし・・・」。ここのところは、あまりの表現にクレームがつき、訂正されそうである。だが、それが本音。視野に入れる・・・、本来は、この青は「ぜんぶ史跡をめざす。やれるところから段階的に史跡指定を実現させるべきゾーン」と言うべきもの。視野に入れても、民有地について基本的にやりたくないわけだ。できるだけ景観は維持していきましょう、ができる範囲でね、ということ。いちおう、土地を手放したいとか、同意がえられれば追加指定する、とも。別のところでは、史跡のバッファゾーンだって。本体やろ。
◆そして旧境内地全体を取り扱うと謳い、④として「その他の旧境内地」を設定するものの、④についての保存管理計画の文章はまだ書かれていない。白紙。③でさえ上のようなこと。④の地区は、本来、保存管理計画に入れたくなかったのに、委員が入れろと言ったから、いちおう入れてはいるものの、どうするか考えてもいないし議論もしていない、ということだろう。「ああ~、どう書くかな~」と思案中なのだろう。
◆管理運営組織を作るのだそうである。③の記録保存は書き直されるとのことだが、長期にわたると言いつつも、一方で高齢化で空き家等が増えていくだろうとの見通しも示す。長期にわたるから保全に努め、できるところから、という書き方が間違っているとは言えないが、「長期にわたっても史跡の追加指定を図る地区」と明記する合意ができないところが、この会議の限界である。実際には、どちらにせよ(いまの書き方でも、史跡にする地区と書いても)、もしかしたら同じような推移をたどり、史跡地がだんだんと増えていくことになるかもしれない(祈り、ですね)。が、これだけ掘ってきて、いろんなものが検出されている、伽藍よりもむしろ、根来住人の活動の舞台そのものである③を、「史跡を目指す」と打ち出せないのである(湯屋を含め)。史跡地として不可欠とは考えない、と言う意味でもある。根来とは何だったのか。
【追記】そろそろ、いや既に?尾根の造成工事も始まる、始まっている、のだろう。

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雲楽
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1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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