人を幸せにする人になろう

すくも蒅

◆一般社団法人 藍産業振興協会のホームペイジから。
◆AIとかそんなんはほっといて(ただし大学がどことも情報・情報!と右にならい、研究費を潤沢に配分するのは反対(遊びが多すぎる))、モノづくり、この蒅つくりなどの伝統産業の職人、あるいはトラック運転手などを、ちゃんと対価を得られる職とする方が大事です。

◆3月の種蒔き、梅雨前の定植(苗床から畑への植替)、夏の収穫までは「農作業」となるため、作物のひとつとしてタデアイを栽培する農家も少なくない。むしろ藍師の家だけでは葉藍が確保できない場合が多く、地域の農家は蒅づくりに欠かせない存在となってる。
◆タデアイの収穫が終わると、作業の場は藍師の家に移る。生活のための母屋、葉藍の乾燥に必要な広い中庭、そして寝床と呼ばれる作業場からなる藍師の家は「屋敷」と呼ぶにふさわしい構えのものが多い。蒅づくりは家内工業であるため、藍産業が盛んだった時代には、住み込みの職人が暮らすスペースを備えた家もあったという。
◆運び込まれたタデアイは裁断の後、扇風機の風を利用して葉と茎に選別。インジゴを含む葉のみを中庭に広げ、約2日間かけて「藍こなし」と呼ばれる天日乾燥を行う。天候が定まりにくい昨今、乾燥機を導入したり、乾燥の工程を屋内で行う藍師もいる。乾燥を終えた葉藍は「ずきん」と呼ばれる袋に保存され、次の作業を待つ。
◆9月に入ると作業もいよいよ本格化。寝床ひとつあたり3,000kg~3,750kgの葉藍を積み、同量の水をかけ、混ぜ合わせ、約1mの高さに積み上げる。この作業を「寝せ込み」、積んだ葉藍の上にかける筵を「ふとん」と呼ぶ。一度「寝せ込み」が始まると、約3ヶ月の間、4~5日に一度のタイミングで葉藍に水をかけ、混ぜ合わせ、また積みあげる、「切り返し」という作業が繰り返される。葉藍の発酵を促すこの工程で最も重要なのは水加減であり、専門の職人「水師」が管理していた時代もあった。
◆「切り返し」の間には2度ほど「通し」を行う。「通し」とは、発酵がムラなく進むように葉藍の塊を砕く作業だ。22回~23回の「切り返し」を経て蒅が仕上がると藍師それぞれの屋号印を押した叺(カマス)に詰められ、ようやく出荷となる。
◆「藍こなし」「寝せ込み」「切り返し」。いずれも大まかな手順は決まっているが、日程や作業の詳細は経験を積んだ藍師の「勘」で決まる。タデアイの生育具合は年ごとに異なり、作業中の天候に決まったパターンはない。葉藍を「四つ熊手」で集める時の感触、「はね」て返す時の重み、寝床にこもる香り、日々変わっていく葉藍の色・・・。五感のすべてを働かせて、藍師は日々細かい調整と決断を積み重ねてゆく。
◆できあがった蒅は、染師の元で灰汁等を用いて染料に仕立てられてゆく(藍建て)。大きな甕で発酵が進み、その過程で生まれる「藍の華」(藍色の泡)の状態で藍液の出来がわかる。化学染料の普及や和装文化の衰退など、幾多の困難を乗り越えてなお、質の高い阿波の蒅は全国の染師に求められ続けている。けれども藍師の家に代々受け継がれてきた蒅づくりの技を、未経験者はもちろん、後継者でさえものにするのは容易ではない。材料となるタデアイを栽培する農家も減少傾向にあり、需要と供給のバランスがうまく取れていない現状だ。一方で近年、タデアイの栽培から蒅づくり、そして染までを一括で行う、チャレンジングな若い職人も現れている。伝統の製法を守る人、新しく挑戦する人、作品づくりを通じて蒅を支える人。ジャパン・ブルー、奇跡の青を生み出す蒅づくりの世界は、変化の兆しをはらみながら、今、新たな時代を迎えようとしている。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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