人を幸せにする人になろう

よりよい世界にするための諸課題解明と批判

◆2日間にわたった国際シンポジウムが終わった。まあしかし、国際シンポジウムと銘打つこと自体を考え直さねばならない。外国から研究者を呼んで話をさせたら国際なのか。研究課題にふさわしい方を呼んできてしゃべってもらうことはあってよいとして、別に「国際」という必要はないだろう。
◆外国から著名な研究者を呼んでくればいいのか、著名な研究者であれば邦訳もあるだろう。功成り名を遂げた人だろうから、すでによく知られていて、その人の研究を知ることは難しくない。そういう人を呼んできて、直接話を聞くことが、どこまで有益なんだろうか。記念写真を撮影している風景を見ると、タレントを呼んで人寄せにしようとするのとかわりないように思われる。
◆社会学の報告を午後まとめて聞いた。今日の現象を切り取ってきて報告する。興味深いことである。インパクトのある事実は雄弁であり、そここと自体も意味があるだろう。でも、学問的にはどうなんだろう。まずもって、なぜにマニラなんだろうか。日本でなく。そしてそうした社会現象がなぜに生じているのか、という追究はない。これからなのかもしれないが。で、それに対して批判的な姿勢なのか、そのへんがわからない。なぜフィリピンの貧困を明らかにするのか、なんのために、そしてどう主張をしようというのか。それが見えないので、「それで・・・」と思った。
◆古墳時代などという、日本のことではあるが古い時代で、自分が面白いからやっている、自分の「研究」なるものを棚にあげてのことであるが。
◆それに比べると、東大の吉田伸之氏が、この国際シンポの目玉であったサッセン氏の講演に対し、面白いけれども、批判的な言及がないのに「がっかりした」と発言したことが印象的だった。吉田氏は近世江戸を研究しており、アジテーターのように現代社会批判をするわけではないが、近世都市社会の研究のベースには、常に現代日本への批判的精神があるのと、大きく異なっている。

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雲楽
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男性
誕生日:
1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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