人を幸せにする人になろう

桜井茶臼山古墳の記者発表

◆昨日、事前レクがあり、公式には7日なのかな。マスコミから取材があった。メモを作る。
(1)3世紀後半では、倭国王である台与と並び立つ存在(将軍で執政者とみる)で、200m墳丘規模、昨年の多量の水銀朱を使用した埋葬施設、それにふさわしい副葬品の内容が明らかになった。
(2)破片数331点、同定できたもの81面、100面を超えるとも考えられ(報道後、追記)、いかに多量の鏡をもち大型の鏡をもつかということが、古墳時代前期の社会において重要な意味をもっていたかを、改めて考えさせられる。
(3)正始元年鏡の確認は、ようやく近畿の大型前方後円墳から出土した。銅鏡百枚に含まれていたものであろう。被葬者の活躍期が240年にさかのぼる可能性があり、卑弥呼没後に立てられようとした男王だったのかもしれない。卑弥呼に近侍した男弟であったかもしれず、今後、被葬者像をめぐって議論になろう。
(3)これからの分析が必要だが、わたしは埋葬時期は270年代頃と考えており、多量の中国鏡、そして国産化を始めた時期の典型的な組み合わせになると思う。
(4)また、石製品も興味深く、鏡とならんで、玉杖や腕輪などの緑色の石を用いた石製品を新たに生み出し、ヤマト王権への参加を列島規模で推し進めるこの 時期に、中国製品とともに、国産の威信財を生産し、それを配布することで求心力をもとうとする、3世紀後半の政策を読み取りたい。
◆13日から展示だとか。さっそく見に行こうか。

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雲楽
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男性
誕生日:
1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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