人を幸せにする人になろう

博物館の整理

◆4月21日の朝日に、シリーズ〈文化変調〉第1部「ハコもの」の行方1、の記事を読みましたか。宮代さんですね。まあ、書いてある千葉県や埼玉県の話は前に聞いていたことではある。しかし、ちゃんと調べて身についたものでないので、改めて実際のところの一端をこれで知った。千葉県の文化課長は上野さんなんだ。
◆千葉県は10館→5館に。だけどね、中央博っても、面白くなかったけどね。バカでかく、総花的で・・・。千葉県も全国のトップを行く緊急調査量を誇っていたわけだ。地区センターもなくなったんだっけかな。山武もなくなったように聞いたような気がする。膨大な縄文土器・弥生土器、土師器、たちをかかえているんだろう。それらは中央博物館に反映しているんだろうか。千葉県は例えば古代の集落研究でも先進地だった。そういう集落研究は進んでいるが、そういう展示はなされているんだろうか。皆無ではないだろうが、バカでかい総合博物館はあるが、自然史がけっこうなスペースで、考古の展示はさっぱり記憶にない。
◆バブル期までに計画され建て続けた博物館。そういうことを所管する文化課、千葉県では専門職が課長になる。彼らの出身は掘り屋、で自分たちが県文化財センターで掘り続けてきたものが、どれだけ県民に還元されたであろうか。博物館には博物館の論理があり、概して考古資料は汚いと言われる。専門館を建てるか、展示スペースを確保するかはともかく、調査事務所での展示といったのでなく(それもやるべきだが)、もっともっと考古資料を並べてほしいのだ、そういう機能をもつちゃんとした施設を確保してほしいものだ。そうか、ぜんぶ市町村に移管しているならモノがないわな。千葉ってどうだったっけ。
◆オレは博物館に勤務したことはないが、毎日、大工をして展示ケースを作り組み立て、ガラスを買ってきて入れて、できたら土器をならべて、パネルを作って掲げる、とっても楽しいと思うけどな。
◆大阪でも、府教委・センターがかかえる遺物を全部市町村に返還したらどうか。どことも学校の統廃合で空いている学校があるのではないか。おんぼろでもいい。そこを確保し、遺物を運び込み収蔵庫とし、展示スペースをすこしずつ作りあげていく、というのはどうだろうか。大きな企画展はいらないが、ミニ企画を1シーズン1回程度はやる。基本は常設で、ただし作りっぱなしでなく、常にやりかえられていくもの。どっか拠点を決め動かず、ず~と育てていく。資料はたんまりある。
◆問題は人かもしれないが、しかし、まずは場所。新設なんてしなくてよい。既存のものを博物館とする。限られた予算の中で、自分らで外壁のペンキも塗って中の改装もして、作っていけばいい。
◆けっこう國學院のごてごてした展示(4回生の時に1回いったきりだが)は好きである。ひとつの小さな部屋、ひとつ目の展示ケースを据えるところから始まったろう。収集資料が増えるごとに増設していったに違いない。そうやって作っていけばいい。学校はちょうどいいではないか。ひとつの教室で1テーマが埋まれば、次の教室を、次は古代寺院で行こう、という風に。コーディネイトする力があれば、なんぼでも市民や生徒の力を借りることはできるのではないか。公民館的博物館というところか。
◆莫大な調査をやって蓄積した出土品、倉庫に眠っているよりも、空き学校を利用して、報告書に掲載したような資料は、ぜんぶ並べてしまえ。

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雲楽
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男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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