人を幸せにする人になろう

栄原永遠男先生の退職記念パーティー

◆本日は、前から準備してきた先生のご退任を祝うパーティー。先生に大阪市立大学にお5e426290.jpg招きいただいたわたしは、赴任時に出されていた宿題を10年たっても果たせず、申し訳ない限りである。
◆最終講義やこの種のパーティーの中でも、実に中身のあるよい会だった。
◆第1部の話は、この3月にうちの文学部の支援機構というところから出た雑誌『フォーラム人文学』のなかで栄原先生に聞くという座談会記録と重なるものだったが、改めてよくわかった。古代史をやろうとした背景、卒論の話、正倉院文書の話、etc。座談会記録も含めての印象深い話は多いが、過去はふり返らない、未来が大事、同窓会へも行かないといった話は、さすがである。書いた原稿はそこで終わり、次に進んでいるので、校正はきらいだとか。紫香楽宮の話なども、いろんな機会を大事にし、人との出会いを大事にし、そこからいろんな縁が生まれ、それが自分の研究にも返ってくる。難波宮の木簡があり、シガラキb5da9498.jpgのあさかやま木簡の発見につながり、歌木簡を提唱することになり、和歌教室へ通って万葉集の研究をしたいという新たな目標につながる。そうした連鎖が人生を豊かにするのであろう。
◆広川先生の乾杯前の話もよかった。栄原先生は自分を客観視できる人だと。栄原先生が、卒論指導の際に言うことを聞いたことがある。いちど、自分を突き放して、考えているところが思いこみでなく、ほんとうにそう言えるかどうか考えてみなさいと。広川先生の発言は、栄原先生が今日の話のなかで、これまでの研究を分析されたことに対して言われたかと思うが、古代史学界と自分の研究についてのことはもとより、市大の歴史学について、文学研究科について、市大についてもしかり、だろう。どういう教育をめざさなければならないのか、とか、和泉市の合同調査とか、市大日本史学会の創設とか、COEの獲得とか、文学研究科長時代の舵取りとか、情勢をよく把握し、先手先手を打っていくことにつながる。オレは自分を客観視できているか、と自問してみる。う~ん、今日学んだことのひとつ。
◆栄原先生の魅力は、すごく気さくで、人間味があり、若い学生ととても仲がいいことだ。人間性なんでしょうね。「授業が嫌で嫌でしょうがない」とか、テレビが好きで、とか、エラそうなところが微塵もない。それにしてもメモ魔ですね。
◆終わって大学に行き、今日配られた先生の冊子をずっと読んでいた。とくに鎌田元一について書いているところを読んだ。おれは卒論も修論も鎌田先生に読んでもらったのだが、1983年、オレが入学の年に富山大から京大に戻られたのを知った。

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HN:
雲楽
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60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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