人を幸せにする人になろう

日米の密約

◆2009年07月12日の朝日新聞で日米の密約が整理されていたので取っておいた。そこで示されたのは4つ、60年安保時の2つ、沖縄返還時の2つ。
◆60年安保(1)。60年安保で、核兵器+αを日本国内へ持ち込む場合は事前協議が必要との条項が入った。しかし、「米軍機の日本飛来、米軍艦船の日本領海並びに港湾への進入に関する現行の手続きに影響を与えるものと解釈されない」という内容らしい。仕切りとしては、在日米軍基地に核兵器を持ち込み、そこから出撃する場合は事前調整が必要だが、恒常的でない「たまたま」の立ち寄りはいいんだ、ということ。事実上、核兵器搭載の米軍機が横田や三沢に降り立つことも、核兵器を装備した戦艦が横須賀に入港するのもOKというもの。非核3原則の「持ち込ませず」というのは放棄している、ということ。この密約は、外務省で文書にされていることを元事務次官が明かにしたそうだが、むろん公表されていない。
◆60年安保(2)。朝鮮半島でコトが起きた緊急の場合など、「ただちに着手することが必要とされるような軍事作戦のため、日本における施設及び地域を使用してもよい」という内容。在日基地を米軍が出撃拠点として自由に使えることを、岸信介から全権を委任されていた外相が会議で発言しサインしたもので、全文が明らかになっているらしい。これ、安保の条文を読まんと理解できないね。たぶん、在日米軍は備えのためにあるのであって、米軍の戦争遂行のために戦略基地としては使ってはイカンということになっているんだろう。
◆沖縄返還(1)。89年返還交渉時、ベトナム戦争が激化するなか、沖縄の米軍基地に配備されていた核兵器について、撤去を求める日本と継続を譲らないアメリカ。で、「ニクソンは沖縄からすべての核兵器の撤去を約束するが、有事には日本政府と事前協議をした上で持ち込む権利を認めるよう要求し、佐藤は「かかる事前協議が行われた場合には、遅滞なくそれらの必要をみたすであろう」と応じた」という議事録の形での密約だそうだ。建前(1)アメリカが事前協議をすれば日本は認める、建前(2)アメリカが勝手に持ち込んでも、事前協議がない以上、日本政府は「核兵器の持ち込みはない」と言い逃れる。が、たぶん、実際には撤去されていないで、ずっとあり、また必要に応じて最新兵器に取り替えているだろう。
◆沖縄返還(2)。これは返還にかかる経費負担の話。(1)アメリカが支払うと定められた軍用地の原状回復費400万ドルを日本が払う。(2)短波放送中継局の移転費1600万ドルを日本が支払う。(3)日本がアメリカに支払う(どういう名目なんですかね)返還協定に記された3億2000万ドルとは別に、2億ドルを基地移転費などとして支払う、という3つの内容らしい。まあ、実際に返還する部分の移転経費もあるんだろうけど、それがいくらか誰もわからん。日本が支払った総額のどこまでの範囲かはわからんが、ベトナム戦争遂行のため投入され、たとえば軍需産業から爆弾などを購入するのにあてられたんだろうね。
◆ところで、すこし前に佐藤栄作の家から文書が出てきた、と新聞報道されていたが、これはどれに当たるんかな。たぶん沖縄返還(1)なんだろう。ノーベル平和賞を受賞した佐藤の虚偽が改めて批判されていた記憶があるので。

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雲楽
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男性
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1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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