人を幸せにする人になろう

河内政権論

◆佐紀古墳群から古市・百舌鳥古墳群への転換について、河内政権への勢力交替ではなく、王権側の政策的な転換に理由をもとめ政変を認めない意見がなお存在する。しかしまず、現象としての首長系譜変動が十分理解されておらず、さらに列島諸地域で地域内の優劣が一変する激変が十分認識されているとは思えない。それまで王権に与していた地域勢力をことごとく退けるほどの政策とは何かについて説明はない。そんなことを仮に断行すれば、その反動は大きく、王権を揺るがす動乱になりうるという想像力にも欠ける。もしそれができたのだとすれば、中期初頭の王権は、6世紀後葉段階の前方後円墳の廃止に匹敵するだけの絶対的な権力をもっていたことにもなる。それは河内政権論を認めない論者の王権成熟度の理解と整合するのだろうか。
◆筆者は、論理的に考えても、実際に生じている列島規模の優劣の大転換がありえたのは、勢力を二分するほどの対抗関係が生じたと理解しなければ説明がつかないと考える。そこまでの対立関係とその結着があったからこそ、列島の政治地図がことごとく塗り変わる転換が起こるのである。地域勢力を巻き込んだ王権内部の権力闘争による政変という都出比呂志の理解が妥当である。
◆ある文章です。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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