人を幸せにする人になろう

車塚の復元案等

◆こないだのは委員会用モノクロなので、カラーにしてみるのと、造出中央で埋葬施設が検出さ れ、1/20の手直しは明日やるので、正確ではないが、アバウト入れ込んでみた(いくぶんの振れをもうちょっと直さなあかん)。で墓坑のおさまりから、正方形でなく、南北にやや長い案としてみました。そうなると、後円部側がより窮屈になるので、やはり正方形の方がいいのかもしれませんが・・・。そういうことでやり直しました。測量図にはめ込んだものには、この夏の調査区も入れてみました。ただし周濠部は、地表下4mでの平面をイメージしており、上口はずっと広くなります。段堀の設計など、夏に向けて入念に戦略を練る必要があります。
◆昨日実家で、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀というのを見ていて感動した。小児外科医の話。痛み等の原因を見極めること、そして外科的に何をどこまで除くことが必要か、しかしそこに横たわる患部へ至る臓器等、あるいは患部の癒着、大きく切開できない子供の体、その体力、しかし目的を実現するためのオペの戦略を考え抜く。ほとんど不可能。しかし「お前はあきらめるのか」。考え抜く。ひとつひとつ到達する術を考え、手順を考え、危険性を考え、その危険性を回避する手段を考え、ノートに書き込みチェックしていく。そうすることで、困難と思われるものが、徐々にやれるというものへと変わっていく。手術の9割は手術前に終わって いるのだとか。気が小さいと自己分析する性格が、慎重な判断、万全の準備、あせらな い施術に結びついている。彼の言うプロフェッショナルとは、可能な限りの準備に努力し、施術を決める、ということだったか。
◆今回の現場では、最初いなかったこともあり開始にあたって言っていないが、発掘する際「オペを始める」とけっこうマジメに言う。発掘も共通する面がある。現場で掘り進み変わってくる状況を的確に判断し、段取りと手順をひたすら考えることは、まさにオペなのである。さっきも、この図を描き直していて、ふと。このままでは夏の発掘区設定に不安を残す。そのためにやっておくことがある。明日しかない。おわかりでしょうか。北辺の肩部をたとえ幅50㎝のトレンチでも入れ、正方形か長方形かを明らかにしておくこと。そうでなくとも、後円部西側の過去の調査区で確認されている墳端にもとづく復元円と、造出推定案で、北辺の取り付きがうまくいっていない。
◆むろん車塚の墳丘復元案そのものを再度点検しなければならないし、おそらくそれでも解決せず、くびれ部ねらいのトレンチ設定はなかなか難しそうだが、不確定要素をつぶしておくことは重要ではないか。なにせ地表下4mなので、はずれた時、そう簡単に拡張できない。また、造出の調査事例を探索し、取り付き部のあり方の事例を頭に入れ、決断しなければならない。ほぼ入るという確信のもとに調査区を設定したい。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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