人を幸せにする人になろう

長岡京市恵解山古墳の委員会(100723)

◆調査は今年度が最終年度で、下半期に基本設計に進むため、いつもの冬場でなく年度上半期に実施したもの。東くびれ部で造出南辺と前方部側面が出ている。2つの点が問題となったが、1点目は調査担当者の理解はまったく納得できなかった。2点目は、この古墳の復元をきっちりやっている人だった故に、これまでの成果から復元される平面形にあわないものだから、やや特殊な解釈をしたもので一概には否定できない。だが、やはり解釈は苦しい。一方、西くびれ部で検出された4本の円筒埴輪は、資料が送られてきてざっと見たとき「変なもんや、これは何?」と思ったが、現場を見ると、とくに特殊に考える必要はなく、造出上面の埴輪列が残存したものと思われる。したがって削平されている上面の高さも、意外に削平は大きくないということになるだろう。
◆委員会の雰囲気、メンバー(口火を切る人がいるかどうか)で、こっちの発言の仕方が変わる。ここの委員会の場合、最初の時、断ち割り断面の解釈で、これは地震による崩落ではないかと思ったが、担当者は中世の城による移動と見解が異なり、地震説をかなり強く主張したということがあり、以来、なにかと担当者の見解にイチャモンをつけるみたいな言い方が続いていてよくない。
◆言い方には気をつけなければならない。今回もオレの発言に対し、担当者の不服・不満がありありとわかる。これはまずい。「なるほど、でもこういう見方もできるのでは?」と考えてもらう言い方を心がけなければならない。文化庁時代の役人根性が残っているんだろうか、ややきつめの発言となる場合も多い。
◆でもね、埴輪を取り上げるかどうかなんて、委員に諮るのもいいけれど、史跡で文化庁の指導もあり、遺構だから埋めるというのは原則ではあっても、どうしてもモノを取り上げて確認したいという場合、市の判断で上げればいいのである。どうでしょうかという投げかけの時、取り上げたいという気持ちがありありだった。だけど、都出先生は残せと。賛同してもらえれば取り上げ、埋めとけと言われたらしぶしぶ埋める、というのはどうかと思うのだ。テラス面の一般的な埴輪列でなく、造出上面のモノで、とくに鍵の手の入り口に相当する部分かも知れない可能性があり、異常に径の小さい埴輪、門柱にあたる部分かもしれず、これについては取り上げることにしたい、と説明すればよいのである。

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雲楽
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男性
誕生日:
1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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