人を幸せにする人になろう

大学設置基準の大綱化1991年

◆前にまとめたこともある。昨日の教室会議で、1回生で履修できる専門科目の議論が、学部○○委員会で進んでいる話が紹介された。で、前から共通教育科目の1回生時の履修制限があることに疑問もあり、そうか、これは大綱化によってそうなったのかと納得。すなわち教養課程や専門課程が撤廃され、大学の裁量に任された時、市大では、前2年、後2年を取り払い、2年次にコース所属にしたんだろう。共通教育科目は4年で履修すればよく、専門も数は少ないが、1回生から履修できる科目を提供し、2、3、4とステップを踏む、現在のカリキュラムとなった。
◆一方、こと細かな「教育課程などの基準の詳細の部分が削除され」たかわりに、「教育研究の質の保証を大学自身に求めるという方針の下、大学による自己点検・評価が努力義務と定められた」、という。
◆こないだから、ジャビーやら認証評価のことが気になり、一度、まとめて調べてみようとしているが、余裕はない。昨日の教授会でも認証評価の資料が出ていた。またいずれ・・・。うちの文学部の場合、3学科で、それぞれ1回生に対し、前期・後期に概論と基礎演習の各1科目を提供し、この2単位*2科目*2学期=8単位は必修としている。そこに現今の初年時教育の話が入ってきて(これも長い経緯がある)、この大綱化後のカリキュラムの1回生科目を改める改めないが議論されているようだ。
◆ネットで調べると、大綱化は弾力運用を可能にしただけで、いわゆる教養科目を重視しなくてもよいとしたわけではないのだが、教養の問題はどこでもかかえていた問題で、多くのところは、教養課程を撤廃し、教養教員を廃止し、そして全体とすれば教養科目を縮減していく方向を取った、という。市大も基本的にそうであるが、おろそかにしたということはないだろう。現在の卒業要件単位の共通教育科目の単位数と、その前の課程の場合の単位数などを比較しなければわからない。また、一般教養的な教育がおろそかになったか、質が低下したのか、ということも簡単には言えまい。
◆大きな流れからすると、極端に言えば、旧制の高等学校(あるいは予科)と大学をくっつけた戦後の大学制度が、にようやく制度的に一体化したということなのだろう。
◆話を元に戻して、要するに、「くさび形」と呼ばれる共通科目と専門科目の入れ子を目指す、としたと。とはいえ、現実的には、うちの場合、2年2年でなく1年3年になり、基本は専門教育を3年かけてやるとなった場合、当初の理想はあれ、共通科目は1年でおおよそクリアしてもらった方がすっきりする。入ってきた1年生の時間割りは、履修制限があるのでけっこう埋まらないらしい。余暇を自分の勉強にあてるなど考えられない。1年生の時に、かなり共通科目を履修しておき、専門科目が本格化する2回生では、講読やらの予習をしっかりするような組み立てにすれば、と思う。

プラグイン

カレンダー

01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

最新トラックバック

プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

バーコード

ブログ内検索