人を幸せにする人になろう

市大の留学生

◆9月の教授会の前にFD研究会があり、留学生問題が取り上げられた。文科省の政策で、大きな大学は留学生センターが作られ、ケア体制を充実させてきた。1000人以上ですね、全国で12大学くらい。うちは300人だそうです。そのなかでの文学部の比重は高い方。
◆報告者は留学生担当で、日本語の授業をやるとともに、めんどうを見ている。はっきりいって個人に依存する形。大学としての体制を整える気配はない。300人それでもいるのだが、彼ら彼女らのケアはまったく十分でない。折しも、そのあとの教授会で海外交流の大学の方針案が出ていたが、学術交流が主で、留学生対策は謳われているけれども、担当からすれば「やる気はない」らしい。数が多くなればいいわけではなかろう。体力に見合う規模でイイ。やみくもに増やしても、いまの市大では来てもほったらかし、それじゃ口コミで増えるどころか敬遠されるだろう。大阪市大に来てよかった、と思ってもらえるようなケアを充実すべし。それで、中国や韓国の若者に、日本はいいところですよ、と思ってもらうことが何より大学として大事でしょう。
◆日本に来たアジアの留学生、というより英語圏の人間は日本などに来ないのだが、は帰らないのがほとんどなんだそうです。暮らしやすいみたいですよ。いいことじゃないですか。とくに中国の場合、やっぱり言いたいことが言えない不自由さがあり、そういう中国には戻りたくないんだと。帰る帰らないは自由だが、そういう日本である。
◆もひとつ、2000年代前半の文科省の留学生大増員施策のために、市大に来る学生のレベルがあからさまに下がっているのだそうである。大きく水増しし、受け入れやすくなれば、トップ12の恵まれた大学に留学生たちは向かう。そうなると、担当者曰く、赴任した頃の留学生はなかなか優秀だったとのことだが、そういう人たちはヨソへ行き、全体数が多くなる中で、市大に来る層は明らかにレベルが下がったと。日本語教育もしんどくなっていくわけだ。どうなんでしょうね、そういう状態で、ムリムリ数を充足する必要はまったくないだろうに、きちんと見定め、少数でよく、彼ら彼女らを十全のケアをする方が、世の中のためではないだろうか。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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