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教育委員会という制度はなくなる?

◆中教審で教育委員会の制度改革についてまとめられ、年明けに法律改正案が提出されるという(そう簡単ではないかもしれない)。原案としては2案の候補があり、教育委員会を執行機関としない案、執行機関の形態を残すが、大まかな方針とかそういうことを考えてもらう役割に留める案。「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が全面的に変わりそう。社会教育法とか博物館法とか、そういうものもすべて改正が必要となろう。戦後の独立行政委員会導入の試みはあえなく撤廃されるのだろう。こないだ、博物館概論で、いまこういうことが議論されていると話した。博物館の所管の話をしたところで、大きく変わりそうである。
◆いま機能していないと指摘されている内容は、制度の問題でなく運用の問題。教育委員会事務局があくまで主体で、形ばかりの名誉職である教育委員が、めざされたような機能を果たすはずがない。問題があるとして、それを是正する方策を考えるとき、一般行政から教育行政を切り離すことの原則を維持するならば、教育委員をどのように人選するのかとか、実質的な権限をどこまで与えるかという問題のはず。が、そうではなく、教育行政も地方公共団体の長の下に置くという基本的方向である。
◆戦前の過ちを繰り返さないために採られた教育の独立という基本原理が、これで否定される。あほな文部科学大臣が育鵬社の教科書を採択せよと命じたら、そうなるかもしれないものになる(極論だが)。権力とはこういうもの。自分の意向にしたがう専門家を集めて議論させ、政策のとりまとめを行い、それにしたがって法律改正をさせる。いじめ問題の隠蔽などのことが改革が必要な理由に挙げられているが、それは教育委員会制度の問題なのだろうか。お役所の論理でしょう。為政者側の根本的問題認識は、教職員組合というウザイやつらを押さえ込むことなんだろう。国鉄民営化と同じ。が、国鉄と教育は違う。
【追記】ちなみに、いまの事務次官は、1996年に東京勤務になった時の上司、記念物課長だった人物です。そうか、官僚トップになったんやね~。まあ、わかる。

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プロフィール

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雲楽
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60
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男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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