人を幸せにする人になろう

学科長の選出方法

◆こないだから市大で提案され意見を求められているのと、まったく同じ問題が今日の夕刊?にあった。山口大学の例が紹介されていた。まったく同じ。各研究科が選んだ候補者を承認する現在のあり方から、複数の候補を挙げて、学長が面接とかして決め、理事長が指名するという、新たな制度を導入しようとしている。
◆なぜそうすることがメリットがあるのだろう。説明はない。山口大学の記事でも、経験者がスピーディ感がないと。いろんなことに対応せねばならず、こういう方向で仕組みを変えるとか、方向性を出したとして、教授会を動かし実現させるには時間がかかるのだとか。
◆大学の自治というありきたりの言葉があり、あんまり好きではない。中身としては、われわれも、仲間の中で、それまで全学や研究科内のいろんな役職などにつき、教授会で報告している方々の姿や発言を聞き、この人だったら任せられるということで研究科長が決められてきた。これまでの経験でも、それなりに皆さん、人をちゃんと見ている。投票の際、やっぱりしかるべき人が選ばれており、候補にはなっても、ちょっとと思う人はやはり最終的には落ちていく。そういう選択が、今、まっとうになされている。大学の自治ということを金科玉条として、横から口を出されることをとにかく阻止する、というつもりはない。なんとなく言葉が陳腐だし、組織は保守化するものでもあるし・・・。が、以上のように、いまの研究科長の選出はちゃんと機能しているのである。変える必要が見あたらない。
◆それを、なんでも複数候補を立てて、学長がどれにしようかな、と選ぶと。それでなにがよくなる?。大学も法人化し、今度は、理事長と学長も分離されるという。(理事長っちゅうのもね、なんか大手民間の社長経験者ならいいんですか。そういう外部のご意見番はあっていいし、耳を傾けるべきだが、それが上に立つというのはちがうだろう。)
◆で、理事長とか学長とかという方々は、要するに全学的によかれと思うことを舵取りする、また各研究科のパワーアップを図るのが仕事だろう。がしかし、企業ではない。右向け右では動かない。彼らの仕事は、いかに研究環境を整備し、教員・職員が気持ちよく力を発揮させる、そういう方向に導くことだ。それ面白いね、研究費付けるから、どんどんやって、とか。研究という営みは、結局は、教員個々のやる気を引き出すことしかない。締め付けても、給料分だけ仕事をすればいい、一生懸命やっても査定され文句を言われるだけだ、とやる気を削いだら、もとも子もないですよ。まあ、そうは言っても、院生もおり学部生もおり、そんなことには関係なくやりますけど。
◆元にもどって、理事長とか学長が、大所高所からこうすべきとか、こうした方がいいとか、そういうことが仕事なのだから、提案し、実行に移そうとする。その時に、自分の意見を通しやすい人選をして、それこそ職務命令で動かそうとしても、反発をくらうだけですよ。結局は機能しませんよ、ということ。彼らがすべきは、部局長会とか、よく知らんけど、全学の会議において、いかに各研究科を説得しそういう方向を実現させることに努力するということだろう。彼らのいうことがもっともで、こうしたいという方向性が合理的ならば賛成しますよ。アホじゃないんだから。たとえば、危機感を訴えるという時も、どこまで本気かということが伝われば、人間、動かされるもんですよ。そう言うことが大事なのであって、複数候補を立てて学長が選ぶという制度改革が、どれだけの効果があるのか、きわめて疑問なのである。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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