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古市百舌鳥のおわり

◆岡ミサンザイ以後のことは前方後円墳についてもあまりちゃんとやってない。埴輪の研究に依拠するほかはない。埴輪研究会の編年では、
【Ⅳ3】〈460年前後〉ニサンザイ[TK47]と市野山[TK208]+前野山(200mニサンザイ型)[TK23]、
【Ⅴ1】〈480年前後〉岡ミサンザイ+白髪山(清寧)(115m)+峯ヶ塚(96m)[MT15]、
【Ⅴ2】〈500年代前後〉ボケ山(仁賢)(122m)(これ今城塚に近いな~)[MT15~TK10]、
【Ⅴ3】〈530年前後〉今城塚[MT15]に高屋城山(安閑)(122m)[TK47]、
という順序だそうである(須恵器は白石科研の植野さんの時期比定)。
◆むろん、須恵器は量的な問題、また初葬への供献物かどうか、埴輪に比べて条件設定が難しいが、なかなか埴輪と須恵器も整合がとれていないな。一方の埴輪による順序が絶対的かどうか、わたしにはわからん。
◆スパッと料理してスッキリしたいものだ。これは古市百舌鳥政権がどう終わり残存し最終的に消えていくか、新たに継体親百済政権の登場という、5世紀後葉から6世紀前葉の歴史の解明のために不可欠だ。
◆岡ミサンザイが雄略陵というのは、1)年代観(とはいえアバウト)、2)ギリギリ丹比高鷲でもいいのではないか、という論拠にもとづく主流の比定に、わたしなりに、3)市野山(イチノベオシハ墓)に後続する執政王墓の巨大墳としては最後であり、履中系の王を惨殺して治天下大王となったワカタケル墓にふさわしいとの見方を加え、みなさんの比定にならっている。この前提がくつがえれば見直しが必要だが、ひとまず定点としよう。
◆そのあと、清寧と仁賢墓が古市に造営されたということになっている。
◆ボケ山って安閑陵にふさわしいような気がする。でも記紀や延喜式で高屋丘となっており、高屋丘陵にある現・安閑陵は固い。けれど須恵器はTK47だって。この年代はあわんわな。どうするんだろう。
◆清寧がキーパーソンだが、河内大塚を築造していたが、継体即位とともに廃され、最終的にガタガタの白髪山を急遽作って葬った、ということもありかな、なんて思ったりもする。河内大塚、大津道に面して築造されたニサンザイに後続する巨大古墳でありながら、最終的に未完に終わった巨墳、この埋葬予定者は誰がふさわしいかということだ。
◆すっきりせん!
◆今日は10/04(日曜日)、昨日から大阪電気通信大学小沢先生の科研の研究会があった。終了後、福永さんと北條さんが桜井茶臼山に行くというのに同行したかったが、仕事が溜まっているので、研究会のあと泣く泣く大学に来たが、電気工事で停電しておりパソコンは立ち上がらず、USBもなく、あまりにも眠くフテネをし、電気が復旧したが、もうやる気をなくして、こんなことを書きました。それも気力なく、考え抜くことができません。
◆気を取り直し、安村さんの石室編年
高井田山[TK23/TK47]〈475直後〉→二子塚[TK47](郡川西塚)〈490年前後〉→峯が塚[MT15](七の坪)〈500年初頭〉→郡川東塚[MT15]〈515年前後〉→市尾墓山[MT15/TK10]〈529年〉。安村さんは高井田山を475年直後とする。市尾墓山は河上氏の説のように529没の許勢男人である蓋然性は高い。この間、約50年である。年代観をイメージするためにこれを割り振れば、上記の〈〉のようになる。ふ~ん。この年代観は、わりあい、従来のもので理解しやすいように思われる。
◆両者をミックスするとどうなる?
TK208 埴輪Ⅳ3  市野山
TK23              前野山
           埴輪Ⅴ1   岡ミサンザイ    高井田山   ≒475年前後 稲荷山鉄剣471
TK47             高屋築山         二子塚      ≒490年前後 
MT15  埴輪Ⅴ2                   峯が塚    ≒500年初頭
                      (ボケ山)         郡川東塚   ≒515年前後
           埴輪Ⅴ3   今城塚          市尾墓山    ≒530年前後
TK10
◆けっこういい線かな。ああ、無為に過ごした。帰ろ。    

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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