人を幸せにする人になろう

熊野神社古墳の保存活用委員会090825

◆翌日は東京府中市の熊野神社古墳の保存活用委員会。こっちは、事務局がしっかりしている。東京都のなd64afebc.JPGかで地元の市がきちんと調査を実施し、博物館活動も熱心だ。なにせ武蔵国府跡を300次くらい調査を重ねている努力は眼を見張る。そして熊野神社古墳については、上円下方墳の発見から、史跡指定、買収、整備、実にスピーディだった。事務局の力量と努力には頭がさがる。委員会でも、しっかり自分たちで考え方向を打ち出していた。おうかがいをたてるというのではなく。しっかりした考え方に裏打ちされた意向に、ほとんど異論はなかった。
◆できあがったものの、整備の仕方や石の葺き方には異論もあるかもしれない。しかし、しっかりとした検討を経た上で、蓋然性の高いものを選択してきた。てっぺんがどうなっていたかなど、葺石が落下してしまった現段階で確実なことは言えない。けれども、わから5e85bdd0.JPGないから貼り芝でというより、市の石を葺き上げる選択はよかったと思う。根拠の不明な部分もあるが、実際に石を積んだ上円下方墳の姿を示す方が、細部は違っていても本来の姿をイメージしてもらえる。仕上がったものは、迫力があって訴える力がある。それは7世紀中頃においてもそうだったであろう。
◆石積み職人は、ランダムにと注文しても、どうしてもきれいにしあげてしまう。実際にはでこぼこしていたに違いない。けれど、コンクリートの塊といったイメージでなく、むろん内部にはコンクリートが流し込まれているのだが、表面には一切見えず、きちんと石を積んだように仕上がっており、成功していると思う。
◆府中市、人口20数万。東芝府中、NECなどの大会社が多く、財政も豊かだ。交付金は不要。だから同じ人口の他市と比較できない点もあるが、しかしそんな大きな市でもない。枚方市や茨木市の方が大きい。しかし、これだけのことをやる。ほぼ同じ人口の加古川市にはできやしない。
◆来年度、ガイダンス施設を作って一応の事業完了だが、引き続き周囲の土地を確保していく予定にしている。さらに既に地元で保存会を立ち上げ、そこに400人の応募があったという。管理や解説ボランティアとして、ガイダンス施設を核に、古墳保存活動を通した新しい地域住民のまとまりができつつある。これもほかには見習ってほしいものだ。
◆そう考えると、やはり話題作り、打ち上げ、そして熱が冷めないうちに一定の目に見える整備を進め、地元の保存団体を形成し、そこに管理を預け自己運動を軌道に乗せていく、という戦略とスピーディさが必要やね。

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雲楽
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男性
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1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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