人を幸せにする人になろう

和歌山県にとって

◆下2件は、『ヒストリア』の原稿として書いたもの。第3回の委員会についても、書き上げ次第、アップします。それから第1回と第2回に戻り、再度、書き直す必要がある。既に進めていますが、完了すればブログも置き直します。最初の原稿なので、頭がカッカしている状態なので、言い過ぎのところや、誤りもあります(とくに第1回)。まあ、気持ちを反映しているわけです。しかし公刊されるので、きちんと訂正はしますので。
◆本日、土曜日、朝10時前から夜の10時まで、根来漬けでした。で帰りの車のなかでいろいろ考えていました。是非とも言いたいこと、和歌山県民にとって、根来寺遺跡は三内丸山遺跡であり、吉野ヶ里遺跡なんだ、ということ。それだけの価値がある。吉野ヶ里は国営公園だから知らないけれど、三内丸山は、毎年、県費を投入するけれども、それを上回る収入を持続しているという。むろん、あのように整備するかどうかは別だが、それだけの遺跡である!、ということだ。
◆もひとつ、史跡指定は、一定程度の価値があるのは必要条件。ボーダーラインにある遺跡はたくさんある。そのなかで、史跡になっていくかどうかは、地元の熱意なのである。むろん、一定のところに達していないといけないわけだが、きっちりしたバーがあって、「その上だから合格、史跡にします、おめでとう」、「これは下だからダメ」というものではないのだ。そんなんやったら、機械に判定させればいいのだ。和歌山県文化遺産課とかの行政は、行政だから、むろん、一定の基準をもって公正に取り扱いを決める必要があり、そうしているわけだが、世の中の具体の案件は、それですべて割り切れるわけではない。ものごとを決めるのは、理屈+人のハートなのである。原子力なんて使わない方がいいに決まっていても、存在するのである。脱線したが、遺跡を守るのは、遺跡の価値判断+工事内容から導かれる一定の合理的結論だけではなく、「これは壊すわけにはいかないだろう、なんとか頑張ろう」という担当者の熱意なのである。人間なのである。それが決める。担当者の情熱が、ボーダーにあるものを史跡にする。国の調査官に食いついて、どんだけこの遺跡が重要か、同類のものと比べてこんな特色があるとか、説得的な資料をきちんと用意し、あしらわれても2度・3度しつこく粘り、一方、役所のなかでも整備活用する方針について上層部を説得し、そしてまた、国の調査官には、ちゃんと管理していく体制も整っているとか、整備計画も考えてもらっているとか、必死に訴える。
◆そうすると、「そこまで言われたらしゃーないな~」となる。むろん、調査官も課内で、課長を説得する必要があり、案件の価値について十分いけるかどうかの確信をもてなければ、容易には返事はしないし、だめなものはだめではある。しかし繰り返すが、多くはボーダー、それがめでたく史跡になるかどうかは、人間の熱意なのである。
◆根来は既に史跡だ。誰しもその価値を疑うことはない(史跡になってんだから、という意味ではないですよ)。しかし、誰にも愛されず、面倒くさがられ、仕方なくやっているだけ。岩橋千塚には熱心でも、根来には愛着や情熱はない。一応史跡なので、ちょっとずつは進むだろうし、史跡になっていない範囲について簡単に壊すわけにもいくまい。保存管理計画で、旧境内地についてゾーニングしていく意義は大きい(中身はわからないが)。が、そんなんだから、問題ないものは別にして、開発か保存かという局面になった時、熱意がないんだからダメでしょうね。
◆和歌山県民のみなさん、根来寺遺跡は三内丸山遺跡であり吉野ヶ里遺跡なんです。が、県の文化財保護という公益の番人であるべき文化遺産課は、こんなんなんです。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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