人を幸せにする人になろう

もひとつ

◆たぶん今の和歌山県文化遺産課には、根来が好きな人がいないんだろう。やっかいものとしか思っていない。まあ、しゃーないからやっている。発掘することがあっても、義務に過ぎない。好き嫌いはともかく、この遺跡は重要なんだ、なんとかしないといけないんだ、ということは県職員としては当然もってなくちゃいけない。県下の文化財の、オレたちは番人なんだ、という意識でいてくれないと困る。それがベースであろう。むろん、役所にいる人間として、県の利害で、文化財サイドの論理だけが通るものでもない。しかし、自分たちの拠って立つところは文化財保護という公益にもとづく判断であり、それは譲れない。県の中で、両立しない場合、どっちの公益性を優先するかというジャッジは当然ありえ、概して文化財は負けるだろう。が、敗北を続けたとしても、自分たちの基本スタンスを忘れてもらっては困る。無力感にさいなまれても、戦い続けなければいけない。そのための職員として配置され、給料をもらっているのだから。残せなかったことへの傷みを感じなければならない。
◆今回の場合を見ていると、あるいは湯屋、大門池以来のことを考えると、和歌山県のなかに、業務としてでよい、根来は重要だから何とかしないといけない、と思っている人がいるんだろうか?、と思ってしまう。結論は、たぶんいないのだろう。宗教法人根来寺はやっかいだし、岩出市に押しつけてしまえ、知らん、と。
◆文化遺産課から愛されず保護されない遺跡、根来寺。
【追記】根来の地図をベースに、丘陵地をイラレでなぞっている。オレはオレで、根来がこんなところだ、ということをできるだけわかりやすく示したい、というところに出発してやりはじめたのだが(最終目的は、いかにいまの史跡指定範囲がスカであるかを示す)、やっぱり虚しくなってくるわけだ。県のなかに、そんなことを考えている人が一人もいないんだろうな~、と思うと。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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