人を幸せにする人になろう
- 日々の雑多な感想や記録を書き留めていくことにします―2008年6月~―
豊中歴史同好会2011年7月9日
◆テーマは〈考古学からみた4・5世紀の政権交替〉、むこうが決めたか、こっちで決めたか、あんまりよく覚えていない。14時から16時、豊中市蛍池。
◆直前にばたばた準備した割にはマアマアか。佐紀は政権交替か。実質そういうことかとは思うが、東アジア情勢に対する遷都であって、そのへんはあいまい。河内政権の登場は明らかな政権交替。そして允恭即位も政権交替と同じことだ。そして河内政権が弱体化しつつ存続するなかでの継体擁立は政権交替に相当する。そして継体を擁立した勢力に対する、欽明を立てて対抗した側の巻き返し、いわゆる「辛亥の変」も政権交替である。
◆古墳時代は卑弥呼擁立によって国家の枠組みを作り上げた、それは平和をもたらしたものだし、早熟ともいえるが、政治的にはきわめて不安定で、勢力争いが繰り返された、そんな時代ですよというのが、今日の結論。
◆津堂城山の最新の測量図を資料に出し、共和さんに作ってもらった動画を途中で流す。動画はわかりやすくていい。そして下の図は、岸本道昭さんが作った播磨の首長墳の編年。これ太子町の講演会の時に作ったものだが、そのあと、よく使う。古墳時代がどう推移したのか、すべてここに現れているといっていい。(1)みんなのオオヤマト時代、(2)半島派兵のため特定首長優遇の始まる佐紀時代、(3)ホムダワケのクーデタによる古市・百舌鳥時代、(4)允恭・雄略による一定の中央集権化と前方後円墳築造規制、(5)雄略没後の混乱、(6)継体擁立にともなう前方後円墳の復活、その後・・・。地域の首長は翻弄されたことだろう。
◆そのあと、反省会と称する飲み会、そのあとの2次会も含めて、みなさん方と楽しく話をする。こういうのは、あんまりないことだ。例会発表中も、誉田御廟山は反正墓で、大仙は允恭墓だ、「どうですか?」、「信じられませ~ん」といったビビッドな反応が返ってきて、楽しかった。
◆直前にばたばた準備した割にはマアマアか。佐紀は政権交替か。実質そういうことかとは思うが、東アジア情勢に対する遷都であって、そのへんはあいまい。河内政権の登場は明らかな政権交替。そして允恭即位も政権交替と同じことだ。そして河内政権が弱体化しつつ存続するなかでの継体擁立は政権交替に相当する。そして継体を擁立した勢力に対する、欽明を立てて対抗した側の巻き返し、いわゆる「辛亥の変」も政権交替である。
◆古墳時代は卑弥呼擁立によって国家の枠組みを作り上げた、それは平和をもたらしたものだし、早熟ともいえるが、政治的にはきわめて不安定で、勢力争いが繰り返された、そんな時代ですよというのが、今日の結論。
◆津堂城山の最新の測量図を資料に出し、共和さんに作ってもらった動画を途中で流す。動画はわかりやすくていい。そして下の図は、岸本道昭さんが作った播磨の首長墳の編年。これ太子町の講演会の時に作ったものだが、そのあと、よく使う。古墳時代がどう推移したのか、すべてここに現れているといっていい。(1)みんなのオオヤマト時代、(2)半島派兵のため特定首長優遇の始まる佐紀時代、(3)ホムダワケのクーデタによる古市・百舌鳥時代、(4)允恭・雄略による一定の中央集権化と前方後円墳築造規制、(5)雄略没後の混乱、(6)継体擁立にともなう前方後円墳の復活、その後・・・。地域の首長は翻弄されたことだろう。
◆そのあと、反省会と称する飲み会、そのあとの2次会も含めて、みなさん方と楽しく話をする。こういうのは、あんまりないことだ。例会発表中も、誉田御廟山は反正墓で、大仙は允恭墓だ、「どうですか?」、「信じられませ~ん」といったビビッドな反応が返ってきて、楽しかった。
またまた千足
◆朝日新聞に、千足について「石室みすみす解体」、「高松塚横目に劣化放置」という記事が掲載されている。チョッコモン彫刻のある石材の劣化進行を見逃してきたことをタタク記事である。
◆むろん、より早い段階で気づくべきだったと言われればそれまでであるが、世の文化財保護部局が、管下の史跡なりの指定物件が大丈夫かどうか、常に点検に廻っていられるほどの余裕はない。高松塚はぜんぜんそれとは違う。国宝で保存施設を作り、定期点検が行われるなかでの見逃しだ。九州の装飾古墳についても、以前から退色などが注意されていたから、公開をやめるとか、年に何度か点検するなどルール化されている。チョッコモン彫刻も装飾古墳の1種で、千足は注目されていたことは確かだが、ペインティングではなく、石である。石もむろん劣化はする。横穴墓の劣化などの問題も知っている。だが、そんなにも非難されねばならないんだろうか。
◆行政を非難するのも仕事だろうが、そりゃ簡単な話だ。しかし、根来のこととか、遺跡を壊す壊さないといった、もっと新聞に期待したいことはあるのだが、こうした問題をどこまで熱意をもって書いてくれるのだろうか。あんまり、最近、見ないように思う。ベースとして遺跡を文化財をいかに守っていくか、そうした意識の裾野を広げていくために書いて欲しい。行政を叩くことを目的とするのではなく。
◆むろん、より早い段階で気づくべきだったと言われればそれまでであるが、世の文化財保護部局が、管下の史跡なりの指定物件が大丈夫かどうか、常に点検に廻っていられるほどの余裕はない。高松塚はぜんぜんそれとは違う。国宝で保存施設を作り、定期点検が行われるなかでの見逃しだ。九州の装飾古墳についても、以前から退色などが注意されていたから、公開をやめるとか、年に何度か点検するなどルール化されている。チョッコモン彫刻も装飾古墳の1種で、千足は注目されていたことは確かだが、ペインティングではなく、石である。石もむろん劣化はする。横穴墓の劣化などの問題も知っている。だが、そんなにも非難されねばならないんだろうか。
◆行政を非難するのも仕事だろうが、そりゃ簡単な話だ。しかし、根来のこととか、遺跡を壊す壊さないといった、もっと新聞に期待したいことはあるのだが、こうした問題をどこまで熱意をもって書いてくれるのだろうか。あんまり、最近、見ないように思う。ベースとして遺跡を文化財をいかに守っていくか、そうした意識の裾野を広げていくために書いて欲しい。行政を叩くことを目的とするのではなく。
考古学研究会
◆総会報告の部分をパラパラと見る。会員が4000人を切ったんだ。委員をやってたころは5000といってたはずだ。大阪歴史学会は、規模は考古学研究にまったくおよばないが、ほとんど横ばいだが微増。
◆ある程度、しゃーないでしょうね。どこともそうである。学生・院生全体が少なくなっている、そのなかで学会誌を定期購読しようという人も。いまの学生は本を買ったり雑誌を取ったりしない。まあ、コピーですよ。
◆学会誌の内容自体、学問も深化し、それゆえ細分化し、学術雑誌の求めるオリジナリティのある研究とは、どんどん先端的な特定部分にならざるをえない。それはいたしかたないだろう。『考古学研究』に載っている論文で、自分が関心をもつもの以外も目を通しているかといわれれば、かつても怪しいし、いまはなおさら・・・。そんなんだから、学生、院生にしても、研究室にある大学が定期購読している各種雑誌から、関心あるものをコピーすればいいのである。買っても、役に立つ部分はごく限られているわけだ。
◆また、査読体制も、学術雑誌がきちんとした学術雑誌たるためには必然なんだろうし、かつての気安く読める同人誌的なものであり続けるわけにはいかない。そうすると、やっぱりある層は脱落し、一定の落ち着きどころに至るまで下がるんだろう。
◆大阪歴史学会もそうだが、学会運営はどことも厳しいですね。
◆ある程度、しゃーないでしょうね。どこともそうである。学生・院生全体が少なくなっている、そのなかで学会誌を定期購読しようという人も。いまの学生は本を買ったり雑誌を取ったりしない。まあ、コピーですよ。
◆学会誌の内容自体、学問も深化し、それゆえ細分化し、学術雑誌の求めるオリジナリティのある研究とは、どんどん先端的な特定部分にならざるをえない。それはいたしかたないだろう。『考古学研究』に載っている論文で、自分が関心をもつもの以外も目を通しているかといわれれば、かつても怪しいし、いまはなおさら・・・。そんなんだから、学生、院生にしても、研究室にある大学が定期購読している各種雑誌から、関心あるものをコピーすればいいのである。買っても、役に立つ部分はごく限られているわけだ。
◆また、査読体制も、学術雑誌がきちんとした学術雑誌たるためには必然なんだろうし、かつての気安く読める同人誌的なものであり続けるわけにはいかない。そうすると、やっぱりある層は脱落し、一定の落ち着きどころに至るまで下がるんだろう。
◆大阪歴史学会もそうだが、学会運営はどことも厳しいですね。
考古学研究が来た
◆6月号が届き、まず自分のを点検、いろいろと不備が見つかる、が、まあどうでもいい。あとは反応を楽しみに待つのみ(新納さんからメールをいただきました、ありがとうございます)。で、問題は新納論文。掲載されることは知っていた。
◆まず一読。フンフン・・・。もっとじっくりと読まないと、正式なコメントはしがたい。むろん、さすがの内容ではあり、勉強になる。基本的にモジュール論に近いんだろう。
◆で、王墓と相似墳といった関係を認めるのかどうか言及はない。こっちは、王墓が規範となって相似墳・類似墳が造られると考えているわけだが、もしかして全否定されているのか!。それともからんで、まして2系列あるなんて、言及に値しないと無視されているのかもしれない。仲津山と大仙で、造山・ミサンザイ・御廟山をはさんでいるのが、これらが連続するものと理解しているのだとすれば。
◆まあ、新納さんの実証に比べると、オレの研究なんて空想かもしれないが、この20年を全否定されるわけにはいかない。それなりに取り組んできての経験でしかないが、まず王墓と相似墳といった模倣の関係は必ずあると考えるし、少なくとも5世紀の2系列は大丈夫。前も書いたと思うが、御廟山→大仙ではないのであって、仲津山→大仙でよいと思っている。
◆平面なのはしゃーない。立体で比べたり、傾斜を算出したり、GISに通じた新納さんに及ぶべくもない。が、だからペケではないはず。立体構造物だから、立体で検討したいのはヤマヤマだが、こっちはそんな技術はない。結果としての平面での検討しかできていないわけだ。平面的には似ているようで、立面的には違うという事例は了解しているが、図面を見ての判断ではあるが、全体としてもほぼ同じように仕上がった類似墳はゼッタイある。で、それは偶然に生じるはずはないのであって、設計原理がどんなものかはともかく、そうした王墓築造に投入された約束事が伝達され、それにしたがって造られたものがある、という関係は動かないと思うのだが。
◆これくらいで。再度、じっくり味わってみよう。
◆まず一読。フンフン・・・。もっとじっくりと読まないと、正式なコメントはしがたい。むろん、さすがの内容ではあり、勉強になる。基本的にモジュール論に近いんだろう。
◆で、王墓と相似墳といった関係を認めるのかどうか言及はない。こっちは、王墓が規範となって相似墳・類似墳が造られると考えているわけだが、もしかして全否定されているのか!。それともからんで、まして2系列あるなんて、言及に値しないと無視されているのかもしれない。仲津山と大仙で、造山・ミサンザイ・御廟山をはさんでいるのが、これらが連続するものと理解しているのだとすれば。
◆まあ、新納さんの実証に比べると、オレの研究なんて空想かもしれないが、この20年を全否定されるわけにはいかない。それなりに取り組んできての経験でしかないが、まず王墓と相似墳といった模倣の関係は必ずあると考えるし、少なくとも5世紀の2系列は大丈夫。前も書いたと思うが、御廟山→大仙ではないのであって、仲津山→大仙でよいと思っている。
◆平面なのはしゃーない。立体で比べたり、傾斜を算出したり、GISに通じた新納さんに及ぶべくもない。が、だからペケではないはず。立体構造物だから、立体で検討したいのはヤマヤマだが、こっちはそんな技術はない。結果としての平面での検討しかできていないわけだ。平面的には似ているようで、立面的には違うという事例は了解しているが、図面を見ての判断ではあるが、全体としてもほぼ同じように仕上がった類似墳はゼッタイある。で、それは偶然に生じるはずはないのであって、設計原理がどんなものかはともかく、そうした王墓築造に投入された約束事が伝達され、それにしたがって造られたものがある、という関係は動かないと思うのだが。
◆これくらいで。再度、じっくり味わってみよう。
ゲンパツのこと
◆朝日の記事で、周縁部に押しつける点で、沖縄の基地と同じだという指摘を見る。
◆報道ステーションで、発電に要するコストが、いちばん安いというイカサマを、例えば交付金や、今回の事故の賠償を積み上げ、六ヶ所村の再処理費用を積んで試算し、こんなにもカカルという数字を出していた。しかし、最終処分場のことは未算入のように聞こえた。北欧のある国のように、地下に巨大な最終処分場を作り、未来永劫、管理していく費用はまだ積み上げられていないと思う。
◆さて、ブログを書こうと思ったのは、玄海ゲンパツの再開を海江田が認めたのに、なんたらテストを実施して合格しないと再開しないという突如とした提案に、政府方針の不統一だとの批判がニュースで流れていた。
◆まあ、不細工な話である。が、田中角栄による推進路線から30年、これを大転換するには、それなりにたいへんなことだろうとも思う。むろん、脱原発を支持してきたので、いまの世論の盛り上がり、諸外国の見直しも追い風となり、この機会をつかまえて日本も転換してほしいと思う。事故が起こらなければこうはならなかったのは日本的風景だが、ここでやるしかない。
◆で、そうするにしても移行期の電力はどうするのかなど、政治家もどうすりゃいいのというところなのだから、国会でゴタゴタと議論することは悪いことではないと思う。国策を転換するには、けっこうな労力がかかるだろう。それがいまなんだから、大いに議論すべし、ゴタゴタが生じても、ある意味、致し方なしとも思う、ということが言いたいのである。でたらめな交付金とか、電力会社のウソとか、この際、政治家諸君はとことん議論すればよろしい。
◆報道ステーションで、発電に要するコストが、いちばん安いというイカサマを、例えば交付金や、今回の事故の賠償を積み上げ、六ヶ所村の再処理費用を積んで試算し、こんなにもカカルという数字を出していた。しかし、最終処分場のことは未算入のように聞こえた。北欧のある国のように、地下に巨大な最終処分場を作り、未来永劫、管理していく費用はまだ積み上げられていないと思う。
◆さて、ブログを書こうと思ったのは、玄海ゲンパツの再開を海江田が認めたのに、なんたらテストを実施して合格しないと再開しないという突如とした提案に、政府方針の不統一だとの批判がニュースで流れていた。
◆まあ、不細工な話である。が、田中角栄による推進路線から30年、これを大転換するには、それなりにたいへんなことだろうとも思う。むろん、脱原発を支持してきたので、いまの世論の盛り上がり、諸外国の見直しも追い風となり、この機会をつかまえて日本も転換してほしいと思う。事故が起こらなければこうはならなかったのは日本的風景だが、ここでやるしかない。
◆で、そうするにしても移行期の電力はどうするのかなど、政治家もどうすりゃいいのというところなのだから、国会でゴタゴタと議論することは悪いことではないと思う。国策を転換するには、けっこうな労力がかかるだろう。それがいまなんだから、大いに議論すべし、ゴタゴタが生じても、ある意味、致し方なしとも思う、ということが言いたいのである。でたらめな交付金とか、電力会社のウソとか、この際、政治家諸君はとことん議論すればよろしい。
今日は何かと
◆根来の件とか、ほかもろもろ、今日は片付けようと決意して出勤。まあ、いろいろと処理したけれど、終わらんな~。また明日や。京大から連絡が来て、小林行雄調査関係分などの鏡についても、1箇所分はのぞき、ほぼ撮影の便宜をいただけるよう。今週でいえば、堺市博で、けっこうかせぐことができた。また近つでも、再度、お世話になった。ありがたい話である。
◆歴博の研究会で22から24日に青森に行くが、出席と言ったきり、航空券の手配もなにもせず、放置していて、またまた迷惑をかける。寝台日本海で朝弘前に8時に行くことで、なんとかなりそう。明日、JR分と航空券を買おう。日本海に乗るのは2回目だ。1回目は奈文研時代の城柵官ガ研究会への出張で青森まで乗った時。新幹線で新青森まで行くのもよいのだが、出発の金曜日も、めいいっぱい仕事をしてから出ることに。気がつけば7月も10日近くになり、予定表を見ると、なにかと厳しい。土日の丸2日、青森の弥生の遺跡などを見せてもらうわけだが、金曜日を移動に当てるわけにはいかなさそう。
◆この土曜日(9日)には豊中で講演があるが、例によって何もしていない。電話がかかってきて資料を送れと・・・。いつものように、「持って行きます。何部刷ればいいですか」と尋ねる。ま、直前にしか動けない。
◆そんなんで、1日、あれこれ片付けをやって、充実感のある1日ではあった。だが、明日もまた課題山積。明日絶対やるべきことと、日曜日にのばしてもいいことを仕分けることだ。こんな調子で・・・
◆歴博の研究会で22から24日に青森に行くが、出席と言ったきり、航空券の手配もなにもせず、放置していて、またまた迷惑をかける。寝台日本海で朝弘前に8時に行くことで、なんとかなりそう。明日、JR分と航空券を買おう。日本海に乗るのは2回目だ。1回目は奈文研時代の城柵官ガ研究会への出張で青森まで乗った時。新幹線で新青森まで行くのもよいのだが、出発の金曜日も、めいいっぱい仕事をしてから出ることに。気がつけば7月も10日近くになり、予定表を見ると、なにかと厳しい。土日の丸2日、青森の弥生の遺跡などを見せてもらうわけだが、金曜日を移動に当てるわけにはいかなさそう。
◆この土曜日(9日)には豊中で講演があるが、例によって何もしていない。電話がかかってきて資料を送れと・・・。いつものように、「持って行きます。何部刷ればいいですか」と尋ねる。ま、直前にしか動けない。
◆そんなんで、1日、あれこれ片付けをやって、充実感のある1日ではあった。だが、明日もまた課題山積。明日絶対やるべきことと、日曜日にのばしてもいいことを仕分けることだ。こんな調子で・・・
ついでに 国歌・国旗に対する歴史観
◆橋下発言で「国歌国旗が軍国主義日本の象徴だったとみる歴史観」といった表現が気になった。が、最高裁判決を見ると、これもまったく同じように出てくるのである。これはなんとかせな。
◆日の丸・君が代が、戦争遂行のためにどういう役割を果たしたか。赤紙をもらい出征する青年にとっても、それを送り出した日本人にとっても、「勝った勝ったまた勝った」と喜んでいた日本人にとっても、また戦死して遺骨が送り返されてきて、お国のために死んだと慰められるときも、常に日の丸・君が代があっただろう。
◆そして南京大虐殺の果てに入城し、日の丸をはためかせ、君が代を流し、「天皇陛下万歳」と叫んだ。多くの中国人を殺して都市を陥落させるごとに繰り返された。そうした中国人(だけではないのはむろんだが)にとって、日の丸・君が代は、間違いなく日本の軍国主義の象徴であった。
◆それを歴史観という。つまりは共産主義にかぶれた偏った人間の誤った見方と、そもそもみているわけだ。違う。偏った歴史観ではなく、日本人にとっても、侵略された側の人々にとっても、日の丸・君が代が軍国主義の象徴であったことは事実なのである。
◆そうした見方が少なくなってきていることも確かではあろう。だが日本人は忘れてはならないのだ。オリンピックでメダルを取ると、国旗が掲揚され、金メダルだと国歌が流れる。サッカーの試合の前に君が代が流れ、サポーターが日の丸を振る、顔に日の丸を描く・・・。そうした風景を見て、いい気持ちにならない日本人もいるのだ。そういう人間も少数派になり、やがていなくなるのだろうか。
◆本当は、日本国憲法の公布の時に、国旗も国歌も新しく定めればよかったのである。海上での識別のため、早くからあった日の丸はともかく、主権在民となった時点で、象徴である「君」の「世」を礼賛する国歌は少なくとも変えるべきだったであろう。が、いまや法律に定められた。これからも日の丸と君が代は使い続けられる。その時に、われわれは、かつてこれらがどういう役割を果たしたのかということを少しは考えるべきである。日の丸軍に惨殺された家族をもつ遺族が、まだこの世に生きている、ということを心に止めてほしいと思う。
◆日の丸・君が代が、戦争遂行のためにどういう役割を果たしたか。赤紙をもらい出征する青年にとっても、それを送り出した日本人にとっても、「勝った勝ったまた勝った」と喜んでいた日本人にとっても、また戦死して遺骨が送り返されてきて、お国のために死んだと慰められるときも、常に日の丸・君が代があっただろう。
◆そして南京大虐殺の果てに入城し、日の丸をはためかせ、君が代を流し、「天皇陛下万歳」と叫んだ。多くの中国人を殺して都市を陥落させるごとに繰り返された。そうした中国人(だけではないのはむろんだが)にとって、日の丸・君が代は、間違いなく日本の軍国主義の象徴であった。
◆それを歴史観という。つまりは共産主義にかぶれた偏った人間の誤った見方と、そもそもみているわけだ。違う。偏った歴史観ではなく、日本人にとっても、侵略された側の人々にとっても、日の丸・君が代が軍国主義の象徴であったことは事実なのである。
◆そうした見方が少なくなってきていることも確かではあろう。だが日本人は忘れてはならないのだ。オリンピックでメダルを取ると、国旗が掲揚され、金メダルだと国歌が流れる。サッカーの試合の前に君が代が流れ、サポーターが日の丸を振る、顔に日の丸を描く・・・。そうした風景を見て、いい気持ちにならない日本人もいるのだ。そういう人間も少数派になり、やがていなくなるのだろうか。
◆本当は、日本国憲法の公布の時に、国旗も国歌も新しく定めればよかったのである。海上での識別のため、早くからあった日の丸はともかく、主権在民となった時点で、象徴である「君」の「世」を礼賛する国歌は少なくとも変えるべきだったであろう。が、いまや法律に定められた。これからも日の丸と君が代は使い続けられる。その時に、われわれは、かつてこれらがどういう役割を果たしたのかということを少しは考えるべきである。日の丸軍に惨殺された家族をもつ遺族が、まだこの世に生きている、ということを心に止めてほしいと思う。
こないだの日曜日に
◆大津の見学会の翌日、鴫野に車を取りに行き、大学へ。で、DS社の原稿を完成させようとしたが、結局、別のことをやっていた。何をやってたか。
◆橋下徹の、例の大阪府条例の必要性を語ったものが記事になっていたので、橋下君の考え方を整理して反論する準備をしようとした。それが中途半端なまま、最高裁の判例をきちっと調べようと、PDFで判決文をダウンロードし、それをまとめていたわけだ。結局のところ、これも中途半端なまま。
◆で、21時に家に帰り、カミさんと延羽の湯に行く。1時間、サウナで水ぶくれした体を絞ると、体重で700g減った。あと1時間くらいいたかったが、カエル。で、11時にイ・サンを見ようとテレビをつけると、なんとウィンブルドンでつぶれているではないか。このところ、日曜日はJINとイ・サンを楽しみに生きているが、JINも終わり、今日はイ・サンもなしか。酒でも呑もう、と缶チューハイを買いに出る。
◆最高裁判決の論旨。なんで判決文って、あんな馬鹿な日本語なんだろう。人に理解してもらおうということとはまったく無関係。むろん、法令とか裁判とか、ある程度、そうなることは理解できる。だが、あまりにもひどい。ねじ伏せるための理屈でなく、判断の理由を納得してもらうことの方が大事だろうに。
◆卒業式の国家斉唱時の起立は所作にすぎないから、それを唄うことに特定の思想を表明したと人がとることはないし、また本人の内心がそれとは違っているにしても、それを侵害することにはならない。だって、形式的な所作に過ぎないから。まして職務命令なんだから、とも。これが第1段落。要するに、最高裁は、卒業式の時に国歌を流し起立斉唱させるということは、そんなことにすぎないんだから、ぜんぜん基本的人権を侵害することにはならないんですよ、と言いたい。まして職務命令にしたがってヤラサレテイルんだから、と。文科省は反論しないんだろうかね。なによりも、それで公務員が処分されているという重みをまったく理解しているとは思えませんね。そんなことに過ぎない行為のために、人を処分するのか。
◆次に、しかし間接的には侵害すると。第1段で、直接的に侵害するのでない、というのが前提。だけども、「外形的行為」といったわけのわからん言葉を定義し、内心からすると起立したくないという本人に対し、職務命令を下すことは、直接的な侵害ではないが、間接的な侵害になると。で、間接的に(なにが間接的だ、直接的でないという判断が勝手な理屈なのだ)侵害することになるんだが、それが行き過ぎかどうかは、総合判断だと。で、行き過ぎとはいえないから合憲だ。おわり。そういう論理構成である。
◆もひとつつけくわえると、これも新聞のコラムにあったが、裁判官の附帯意見というのか、この手の最高裁判決でやたら多いと。要するに、各裁判官は、三権が分立していない日本なので、上記したような合憲判決には逆らえないわけだ。とばされるから。なので、意見も、判決は妥当、だけれども、という形で、例えば、国歌や国旗というのは自発的なものであるべきだから、命令して服従させるのはどうなのか、もっとやんわりできないのか、とかいった意見が述べられる。つまり判決に同意せざるをえないが、マスターベーションとして附帯意見が複数付せられているわけだ。コラム作者は、そういう判決に対する疑問を表明したものだろう。
◆橋下徹の、例の大阪府条例の必要性を語ったものが記事になっていたので、橋下君の考え方を整理して反論する準備をしようとした。それが中途半端なまま、最高裁の判例をきちっと調べようと、PDFで判決文をダウンロードし、それをまとめていたわけだ。結局のところ、これも中途半端なまま。
◆で、21時に家に帰り、カミさんと延羽の湯に行く。1時間、サウナで水ぶくれした体を絞ると、体重で700g減った。あと1時間くらいいたかったが、カエル。で、11時にイ・サンを見ようとテレビをつけると、なんとウィンブルドンでつぶれているではないか。このところ、日曜日はJINとイ・サンを楽しみに生きているが、JINも終わり、今日はイ・サンもなしか。酒でも呑もう、と缶チューハイを買いに出る。
◆最高裁判決の論旨。なんで判決文って、あんな馬鹿な日本語なんだろう。人に理解してもらおうということとはまったく無関係。むろん、法令とか裁判とか、ある程度、そうなることは理解できる。だが、あまりにもひどい。ねじ伏せるための理屈でなく、判断の理由を納得してもらうことの方が大事だろうに。
◆卒業式の国家斉唱時の起立は所作にすぎないから、それを唄うことに特定の思想を表明したと人がとることはないし、また本人の内心がそれとは違っているにしても、それを侵害することにはならない。だって、形式的な所作に過ぎないから。まして職務命令なんだから、とも。これが第1段落。要するに、最高裁は、卒業式の時に国歌を流し起立斉唱させるということは、そんなことにすぎないんだから、ぜんぜん基本的人権を侵害することにはならないんですよ、と言いたい。まして職務命令にしたがってヤラサレテイルんだから、と。文科省は反論しないんだろうかね。なによりも、それで公務員が処分されているという重みをまったく理解しているとは思えませんね。そんなことに過ぎない行為のために、人を処分するのか。
◆次に、しかし間接的には侵害すると。第1段で、直接的に侵害するのでない、というのが前提。だけども、「外形的行為」といったわけのわからん言葉を定義し、内心からすると起立したくないという本人に対し、職務命令を下すことは、直接的な侵害ではないが、間接的な侵害になると。で、間接的に(なにが間接的だ、直接的でないという判断が勝手な理屈なのだ)侵害することになるんだが、それが行き過ぎかどうかは、総合判断だと。で、行き過ぎとはいえないから合憲だ。おわり。そういう論理構成である。
◆もひとつつけくわえると、これも新聞のコラムにあったが、裁判官の附帯意見というのか、この手の最高裁判決でやたら多いと。要するに、各裁判官は、三権が分立していない日本なので、上記したような合憲判決には逆らえないわけだ。とばされるから。なので、意見も、判決は妥当、だけれども、という形で、例えば、国歌や国旗というのは自発的なものであるべきだから、命令して服従させるのはどうなのか、もっとやんわりできないのか、とかいった意見が述べられる。つまり判決に同意せざるをえないが、マスターベーションとして附帯意見が複数付せられているわけだ。コラム作者は、そういう判決に対する疑問を表明したものだろう。
一方で就職が
◆大学も、就職活動支援に熱心だ。それが責務というが、ほんとうは就職率が悪いと、受験者が減るから、ということだろう。大学に行くのは就職するため、ということだ。
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プロフィール
HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。