人を幸せにする人になろう

ついでに 国歌・国旗に対する歴史観

◆橋下発言で「国歌国旗が軍国主義日本の象徴だったとみる歴史観」といった表現が気になった。が、最高裁判決を見ると、これもまったく同じように出てくるのである。これはなんとかせな。
◆日の丸・君が代が、戦争遂行のためにどういう役割を果たしたか。赤紙をもらい出征する青年にとっても、それを送り出した日本人にとっても、「勝った勝ったまた勝った」と喜んでいた日本人にとっても、また戦死して遺骨が送り返されてきて、お国のために死んだと慰められるときも、常に日の丸・君が代があっただろう。
◆そして南京大虐殺の果てに入城し、日の丸をはためかせ、君が代を流し、「天皇陛下万歳」と叫んだ。多くの中国人を殺して都市を陥落させるごとに繰り返された。そうした中国人(だけではないのはむろんだが)にとって、日の丸・君が代は、間違いなく日本の軍国主義の象徴であった。
◆それを歴史観という。つまりは共産主義にかぶれた偏った人間の誤った見方と、そもそもみているわけだ。違う。偏った歴史観ではなく、日本人にとっても、侵略された側の人々にとっても、日の丸・君が代が軍国主義の象徴であったことは事実なのである。
◆そうした見方が少なくなってきていることも確かではあろう。だが日本人は忘れてはならないのだ。オリンピックでメダルを取ると、国旗が掲揚され、金メダルだと国歌が流れる。サッカーの試合の前に君が代が流れ、サポーターが日の丸を振る、顔に日の丸を描く・・・。そうした風景を見て、いい気持ちにならない日本人もいるのだ。そういう人間も少数派になり、やがていなくなるのだろうか。
◆本当は、日本国憲法の公布の時に、国旗も国歌も新しく定めればよかったのである。海上での識別のため、早くからあった日の丸はともかく、主権在民となった時点で、象徴である「君」の「世」を礼賛する国歌は少なくとも変えるべきだったであろう。が、いまや法律に定められた。これからも日の丸と君が代は使い続けられる。その時に、われわれは、かつてこれらがどういう役割を果たしたのかということを少しは考えるべきである。日の丸軍に惨殺された家族をもつ遺族が、まだこの世に生きている、ということを心に止めてほしいと思う。

この記事にコメントする

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

この記事へのトラックバック

この記事にトラックバックする:

プラグイン

カレンダー

08 2024/09 10
S M T W T F S
2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13
16 17 18 19 20
22 23 24 25 26 27 28
29 30

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

最新トラックバック

プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

バーコード

ブログ内検索