人を幸せにする人になろう

和泉市史信太編が刊行されました

◆しばらく前にもらう。(1)黄金塚系譜が5世紀後半に池田谷に移配され(時期と須恵器年代との 擦り合わせがもう少し必要)、谷山池で須恵器生産にあたり、万町北遺跡を残し、7世紀には谷の北岸に移動し池田寺遺跡を営み寺院を造営する池田朝臣だ。(2)根使主は府中域の和泉最大勢力で、丸笠山以来の古墳を残した系譜に連なる人物で、5世紀後半に雄略にやられ、本拠地には茅渟県が置かれ、県主の袋かつぎとされ、池田谷の坂本に追いやられ、6世紀に太田井を掘り、推古朝には中央豪族化して坂本寺を築く。(3)両者は4世紀後葉から5世紀前半にかけて、信太と府中域の隣り合う在地勢力で、根使主事件を経て退転するが、復活を遂げ、7世紀に軽寺式軒丸瓦を共有する関係を維持している。
◆これがストーリーです。観光には関係ありません。遺跡や文献資料を総合的に考えて、地域の歴史の動態を、間違っていてもいいから筋道を作っていくことの、ささやかな試みです。こうしたストーリーが地域住民に遺跡を語る上で不可欠と考えている。もちろん学問的裏付けのある話として。
◆また、研究って面白いなと思う。市史編纂という事業あって急速に進んだという面はあるが。長丁場にわたって、合同調査15年、和泉を調査してきました。古代和泉郡研究会で文献史の人の話をいろいろ聞く機会もありました。坂本寺の瓦を調査し、干上がった谷山池で須恵器も拾いました、そんな営みの蓄積によって、古代史のイメージもかなり明確になり、そこに古墳時代史像を重ね、一定の物語を描くことができるようになる。根使主とは何ぞや、ということについても答を見つけました。紀小弓が淡輪に葬られたという記事は重要ですが、それがニサンザイ古墳の造り出し位置の方墳ではないかというオマケももらいました。研究は、やったらやっただけ進みます。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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