人を幸せにする人になろう

大阪市大と大阪府大

◆大阪府大の話題が新聞に載っている。以前から府の財政悪化から、府立大の運営費はかなり削減されてきた。橋下はさらに努力せよ、市大もあるなか府大はいるのか、と投げかける。民間売却もほのめかし、実際、買い手が名乗りをあげている。府立大幹部は、生き残りのために、学部を整理し、工学部を中心とした大学に再編しようという案をまとめ、知事に提案し、承認をえようとしているのだが、大学内部での反対が大きく、まとめられない、というのが記事の内容だ。9とか10ある学部を4学部に再編しようというんだから、そりゃ、簡単な話ではない。
◆ここで言いたいのは、市大と府大の統合の話だ。市大の工学部はきわめて弱く、理学部は強い。一方、府大は、工学部がウリである。われわれが受験した時代は、東大や京大の2次試験と試験日がずれていて、けっこう、京大工学部をめざしつつ府大も受験し、優秀な学生を集めていた。データはもちあわせないが、いまでも工学系では偏差値は高いのだろう。
◆世間から見れば、京大があり阪大もある関西で、公立大が生き残るためには、この両者を合体したらと考えるよ。世間ではというのは間違いか、オレはそう思う。杉本と府大のある中百舌鳥、南北にキャンパスは分かれるがバスを走らせればロケーションも問題ない。市大の弱い工学部、府大の弱い工学部以外の学部(失礼、よく知りません)、互いに補い合えて、弱点を補強し合って、大阪の公立の一大総合大学になる。そのメリットは大きいと思う。
◆なのに。阪大も大阪外大と合併するなど、努力を重ねているというのに、この市大と府大は、そうした実利よりも、はなから合併に反対している。府・市の幹部はそういう発想をするが、大学の学長レベルでは、そんなことをまったく考えないのだ。なんでだろう。大阪府と大阪市の以前からの関係、だいたいどこでも県庁所在地の市と仲が悪いというのはきくが、大学としては、あんまり競合することなく住み分けてきたのではとも思うが。
◆むろん、府は売却も念頭に置いているなかで、市が抱え込むのは控えると思う。が、普通に考えれば、文系でダブル学部など、このご時世、整理できるのではないか。運営交付金をどれだけ出し合うか、それは政治的なかけひきだが、大学としては、統合による軋轢は生じざるをえないだろうが、将来を見据えれば、メリットはあると思うのだが。
◆いままで通りというわけにはいかない。学生も減っていく時代、それでも市大や府大は当面、大丈夫だろうが、関関同立という関西私学が小学校を作って学生を確保している時代、市大と府大が統合することは、阪大に匹敵する総合大学の地位を確立することにつながると思うが、大阪ってのは・・・
【追記】同僚の話では、大阪市がまったくその気がないらしい。

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雲楽
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男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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