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戦前朝鮮から持ち出された文化財の返還

◆朝日新聞で朝鮮を併合して百年の特集で文化財返還問題が扱われていた。1965年の国交回復に際しての協定で1300点を返還して「法的」には決着したと、日本としては理解し、韓国もこれを無視できず、現在の返還要請は、「世論の声を伝える」という形で日本側に伝達しているのだという。
◆1965年に返還されたのは国が保有するもので、私有財産については「国際法上の根拠がない」ということで、協力しなかった。しかし、この時には、現在の返還要求の象徴になっている宮内庁にある朝鮮王室の儀式書などの存在は確認されていなかったという。
◆正式な外交では動きにくいところ、韓国民間人の運動で、1990年代以降、2500点が返還されているのだという。だが、韓国国立文化財研究所によると、日本国内にある持ち出された文化財が、確認されているもので6万点以上、個人蔵を含めると30万点以上存在すると見込まれるとのこと。わが大阪市立大学にも新羅土器はある。
◆まず日本政府は、取得の理由を問わず、国立博物館、国立大学にあるものについて、返還させるべきだろう。欧米が世界各地から集めた文化財を返還することをしていないとしても(むろん例えば大英博物館のエルギン・マーブルはギリシアに返還すべきと思っている)、国際法がどうであれ、日本国政府は韓国との関係を重視し、できるだけの協力に応じるのがよいであろう。法律に立脚するのでなく、良心やこれからの日韓関係のために。将来花を咲かせるための種をまくことだ。
◆こないだ、歴博に行ったとき特展で5世紀の東アジアをやっていて、東博や東大や京大がもつ中国・朝鮮からの文化財を集めていて、担当者は「日本国内でもこれだけ集まる」と言ってた・・・。
◆日本からも幕末の開国後、日本の文化財の多くが海外に流出したが、種々の理由はあれ、これらは日本国の国家主権が侵害されていない状況において外国人が購入したものだろう。植民地になり、例えば大仙古墳を発掘され副葬品を持ち帰られたものでも、正倉院の倉を開封され聖武の遺品が持ち出された、というものではない。
◆難しい問題のようだが、宮内庁にある朝鮮王室から持ち出したものは当然のこと、東博や東大や京大に手放させればよいのである。

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雲楽
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男性
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1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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