人を幸せにする人になろう

法科大学院は破綻している

◆新司法試験の受験資格を、原則、法科大学院修了者として、2006年から新司法試験に移行。が既に予備試験という上記の原則からはずれる精度を今年度から導入するという話。
◆法科大学院の修了者は5年間で3回の新司法試験の受験資格が与えられるんだって。でも、なんで3回なのか、5年以内なのか、そしてそれでだめだったら資格が消滅するんやろ。
◆で、とくだん、旧司法試験時の、予備校のつめこみの弊害みたいなことは改善されていないらしい。そりゃそうでしょ。法曹をめざすものばかりでなく、それは全体の傾向だろうし、まして司法試験なんて、判例はじめ、要するに条文と解釈をひたすら覚える暗記、しかも新たな法律もできるし判例もできる。それを必死で覚える。そうなるわ。人間的にウンヌンいっても、そんな経験を積むような生き方をしてたら合格できない。
◆で、3回落ちた人はどうなるか。もっかい、高い授業料を払って法科大学院に入り直しなんだって。で、それがあんまりだからか、予備試験という、新司法試験の受験資格認定試験を、2011年度からやるんだと。司法試験予備校はどうなったのだろうか(伊藤塾とか)。法科大学院を作るということは、法学部とは別に司法試験コース大学院を大学に作らせたということで、予備校に大きなダメージを与えたはずだろう(どうなったかは知らない)。予備試験ができるということは、法学部を卒業し、法科大学院に行かずとも、予備校に行き予備試験を受けて合格し、新司法試験を受ける道が開かれたということになる。法科大学院は破綻したわけである。
◆法曹界にすぐれた人材を合格率高く送り出し、日本の法曹人口は質的にも量的にも増えていく、そういうもくろみは破綻したわけだ。法科大学院がタケノコのように次々できたが、そりゃ法科大学院を設置せにゃしゃーないわな。結局のところ、新司法試験合格者が増えたのかどうかは知らんが、思うようにはいかなかったということ。そして今回、新司法試験の受験資格を法科大学院修了者以外にも認めた。元にもどったということだ。きちんと司法試験をやり、合格者の質が問題なら、それはそれで司法修習生時代を充実させるなり、そうした努力をすべきであったのだ。誰がこの制度を作ったのか、責任者は誰かは知らんが、文科省は「失敗した」と素直に認めたらいい。
◆大学設置認定を文科省が握っているために、右往左往させられる。大学の評価も義務づけられ、評価基準に沿うようあくせくさせられている。日本的な風景ですね。うちのカミさんいわく、JABEEも、ちゃんとした大学はみな離れていっている、そんなところに認定してもらう必要など、これっぽっちもないと。

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雲楽
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男性
誕生日:
1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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