人を幸せにする人になろう

部民制と荘園制

◆昨日、卒論を読んでいて、その本旨とは関係ないのですが、ふと、部民制と荘園制はよく似てんじゃないかと。王族・中央豪族、京都権門による、日本の国土の分割領有、そういうものが各所にはりめぐらされており、そういう経済基盤で、国家を支えているあり方も、同じちゃうんか、と。
◆古墳時代の部民制はいつからか知らんが5世紀後葉として、最大の利権集積者である蘇我を排除したのが7世紀中頃、後半を通じて部民制は俸禄に切り替えられ、原則的に在地支配と切り離す(むろん長屋王を見るまでもなく残存もするが)、その間、200年弱。荘園制は始まりは古代としても、中世荘園は12世紀にほぼ成立したとして、戦国大名が台頭して形骸化し、織豊期には完全になくなるとして、15世紀、16世紀前半までは生きてるかな。300年強。
【追記】その後、荘園制が形骸化するひとつの理由みたいなものを考えた。ある地域の実例ではあるが、地方寺院への寄進が鎌倉以降に進んでいく、それが経済基盤となり、南都寺院などとは異なる、地方の一山寺院のようなものが成立してくる。寺院のある山、そして周辺に散財する寄進地。つまり荘園制の枠はあるが、その内部において諸権利(内実は知りません)が寺院に集まっていく、実質的な荘園制の蚕食、またそうした寄進行為により、在地の有力者が、それはなんとか寺の土地だということで、実質的にはそこを経営し、上がりを寺院に納めることで、一定の土地に関する権利を獲得していく。それは荘園の枠をやがて突き崩していくのではないかと・・・。まったく荘園研究のイロハを知らない人間なので、ピントはずれかもしれないのだが、そんなことを考えた。

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1964/03/22
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兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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