人を幸せにする人になろう

大阪府庁のWTC移転問題

◆大阪府庁のWTC移転について、賛成していたが、府教委のK氏の話を聞いて、それから保留になった。橋下は9月議会に再度移転案を上げて、否決されれば辞任し、出直し選挙で府民の意見を問う可能性があるとの新聞報道があった。
◆なぜ、いまのところではいけないのか。それは本庁の建物が古く(文化財になりうる)耐震強度が弱いということだったかと思う。また、手狭感なのだろう。本庁舎のみならず、別館があり、また例えば文化財保護課は民間ビルにある。保護課のみならず、いろんな部署が近隣ビルに賃貸で入っている。歩いていける距離だが、分散感は否めない。一等地でまとまった府の土地がない以上、いたしかたがない。これがいちばんの問題ではないか。そのあたり、発端がよくわからん。
◆そして財政赤字だ。今の土地で高層ビルを建てるのも金がかかる、耐震補強にも金がかかる。WTCを買う方が安く、かつ府庁機能を収納できる容積が確保できる、ということ。元にもどって、なにが問題か。やっぱり、人口増、行政機能の拡大に追いつき、適正な府庁舎が整備できず、分散していること、なんだろう。分散していることの弊害は何となくわかるのだが、もうすこし切実な不便さを理解したいところだが。それがそれほどでもなければ、耐震補強をして、そのままいた方がよいのだろう。しかし、常に賃貸料を払い続けていくのも馬鹿らしいことだ。このまま我慢して、本庁はこのままにしろ、別館などの建て替えを、財政状況がよくなった時点で作るというのもありかもしれない。それにしても、新しくできた府警の建物は立派なもんだ(申敬チョル氏が驚いていた)。
◆橋下の意見として、窓口対応の多い市役所と違う都道府県庁は、中心部でなくてもよいという。それはわかるような気がする。都道府県が許可する大規模開発等の許認可の書類をもってくる業者、また権限は都道府県でも窓口は市町村のものは多く、市町村の役人が府庁へ行く。こうした実際に府庁に足を運ばなければならない人は、確かに市町村より少ないんだろうな、とは思う。
◆大阪市の負債を解消するという点についても、府市連携として、行政の助け合いに近いのかもしれないが、あっていいと思う。府は安くWTCビルを取得し、大阪市は作った時に比べて大赤字としても、何ともならないWTC問題がともかく決着する。それはいいことではないのかと。また埋め立て開発をしたものの、会社が進出するなどの実質が進まないあの南港地区を、府庁移転で促進するという橋下の言い方も一理ある。
◆で、大阪府職員の意見。災害が起これば、WTCは孤島と化し(新交通システムというやつか?、これが麻痺する)、府職員はWTにたどりつけず、災害対応など府が指揮をとらなければならないところ、府の行政機能は麻痺するという。
◆府職員は反対だわな。都市部は便利だ、店もあるし、プライドもくすぐられる。淀屋橋と言えば大阪市というのと同じく、大手前は大阪府だ。埋め立て地に立つノッポビルであり災害に強いとは思えない点、大きく西に転じ、幹線から離れ交通の便が悪いし料金も高いことなど、確かにうなずける。大地震があったらどこでも同じかというと、確かに埋め立て地は、大阪の土建業者だからおそらく手抜きの工事をしているだろうし、地盤は沈降し、ずたずたになり、深く基礎を打ち込んだWTCはポッキンと折れないとしても、確かにまわりは海水に没し孤島と化すかもしれない。そしてまた復旧もたいへんだろう。
◆だが、とやっぱり思ってしまうな。そんな災害、備えておかなければならないが、100年に一度もないだろう。もしそういうことがおこっても、府の職員は泳いでもWTCに行けばよいとも思う(笑)。で、こういうことは考慮しなければならないとしても、移転の是非の主要な反対の論点になるんだろうか。それだけ?という感じ。それ以外の反対理由をあんまり聞かない。
◆橋下の気持ちはよくわかるのだ。まとまった土地に新規に府庁機能を全面移転するには経費がかかりすぎる。大阪市が処分に困っているWTCなら建設費はいらないし、安く買いたたける。そう考えるのもよくわかる。そう考えると、都庁はいい時期にうまいことやったもんだ。非人間的な超高層だが、都心では高くするしかないし。大阪府職員はいまのところがいいに決まっている。
◆おれ、けっこう橋下に共感している部分も正直あるのだ。あかんとこも無論だが。で、どうなるんだろうな。否決、辞任、出直し選挙、再選、議会も認めざるをえない・・・、こう推移してWTCに行くかもしれんな。郵政民営化じゃないけど、府庁移転を争点に知事選をやって、むろんこの1年半で橋下反対の立場の人間も作ったろうが、まだ圧倒的に支持されるだろう。橋下が宮崎県知事とともに全国的にしょっちゅう取り上げられ、大阪府民はそんな橋下を知事に再選するに違いないと思う。どうなることやら。

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雲楽
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男性
誕生日:
1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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