人を幸せにする人になろう

難波宮聖武朝大極殿発見まで

◆前から作りかけていた図があり、ちょうど博物館実習展で山根徳太郎展が企画されているので、 大極殿発見までの場所を落とす。ベースマップとして、これが古い時期を考えるにはいちばんいいのだがそれでも中央大通りは既にあり、もとあった被服敞など、けっこう図示してくれている図ではあるのだが、遺構図優先で消しているものもあるのだと思う。発掘していた当時のまわりにあった建物の全体像ではないが、雰囲気はわかる。

多胡郡の図

◆こないだ群馬に行き、上野三碑の高崎市のパンフレットをいただきながめていると、これ郷領域 説に使えるではねーか、と。備前のものは文章化していたが、岡山県史にいい図がなかったのだが、まったく同じ事情の、旧郡を割いての新しい建郡の事例、しかも超有名。しかも、レキハクの研究会で、若狭さんの発表も聞いていた。多胡郡碑には残念ながら行けなかったが、山の上碑を見て、地理観もできたし。
◆で、このパンフレットの模式図を条里制研究の図にしようとしていた。が、単なる範囲を網で示した模式図では、気がおさまらず、これ地形図に落とさんとあかんやろと、数日前から作業をしていて、できた図がこれです。
◆ブログで遊んでしまいました。仕事に戻ろう。

ピースの集会に出向く

◆昨日の日曜日、仕事を1日やれば、けっこう進んだであろうが、和歌山のカミさんの実家に行くこ とにする。診療所をやっている90歳のカミさんの叔母とも偶然に会い、餅撒きにも参加し、夕刻近くになるが五條新町により、まあ何もせず日曜日を暮らす。橋下くん、出馬せずか・・・。
◆で本日の振り替え休日、朝から研究室に来て、ちょこっと条里制研究の仕事をして、書き直した原稿と挿図80%を編集に送る。あとは博物館実習展のパネルの仕事をやり、時間が来たので、エルおおさかで1330から開かれるピースの集会に出る。いや~、安川さんの福沢諭吉論、とても面白かった。かつ、なぜに、こんなやつの真逆の誤解が世に出回っているのか、不思議に思う。丸山眞男を含め、原典を読んでいないということか。
◆大学に戻り、植物学者三木茂の、実習生のパネル案に手を入れている。条里制研究の編集者から電話が入り、丁寧に原稿に目を通してもらっている様子に感激である。やっつけたいのはヤマヤマなれど、いまは三木茂・・・

あしたは入試業務

◆出勤し、一定時間は割かれるが、条里制研究もほぼ原稿を書き上げた99.9%。註も参考文献も完了。あと、2点だけある。ひとつは『歴史と地理』の古いやつ、うちの図書館歯抜けなんですよね。10月から国会図書館のアーカイブが見れるようになったことを知り、それで検索してみよう。それと、持統朝の30戸1里問題、これまったくふれていないのだが、ちょっとふれておきたいのである。
◆あとは図。だいたい元ファイルを用意した。明日、入試関係の拘束時間外でなんとかやっつけたい。明日のうちには博物館実習展の仕事にかかりたいのだが。

衆議院解散と教授会

◆衆議院解散。軽減税率は当たり前で争点にはならない。集団的自衛権であり、原発回帰であり、教育制度であり、円安政策であり、派遣法であり、法人税減税であり、沖縄基地である・・・。
◆本日の教授会で、自治決定権を奪われたなかで、次期研究科長についての意見表明という名の、意向投票による2~3名の推薦行為が行われた。権限のないところに、意見のぶつけあいなどの議論もなく、そうして決めていくというプロセスもなく、やることに決めたことをまっとうする責任感ややる気も生まれない。まあうちの文学部はそこまでひどくはむろんありません。
◆イメージしているのは小中高といった学校。職員会議は伝達のみ、そんなところに学校の問題をフランクに出し合い、どうすればいいのか智恵を出し合い、また改善にむけて職員が意識を共有し、それぞれの持ち場で努力しようという、情熱や活気はうまれないだろう。
◆今日の教授会では、ある問題をめぐって、長々と議論した。それはそれでよかった。まだ本音は十分出ていないが。オレは最後に、自分の意見はここでは言わないが、教員個々がいろんな考えをもっているので、意見聴取し集約することをしてくれとお願いした。いっぱい、言いたいことはあるが、今日の場ではやめておいた。何の問題か明示せず、なんのこっちゃ、でしょうが、まあいろんな意見をぶつけあうことは重要で、隔たりは大きいように感じたが、急がず、みなの本音を出し合うところが出発点でしょう。そうすることで、この問題、ある組織をめぐっての議論なのだが、どう変えていくのか、方向が見えてくるだろう。

教科書問題シンポジウム

お国のために死にますか?あぶない教科書はいらない!シンポジウム
■日時11月29日(土) 開会13:30(開場13:00 )
■場所 大阪市立中央会館 ホール(地下鉄堺筋線「長堀橋」⑥出口)
    http://www.osakacommunity.jp/chuo/
■第1部 パネルディスカッション
  パネラー
   ◇丁章さん(東大阪在住の在日詩人。「東大阪の公民教科書を読む会」共同主催者)
     ◇おかだだいさん(日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク)
     ◇遠地靖志さん(弁護士。「明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)」)
      ◇相可文代さん(子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会)
■第2部 各団体からのアピール
■資料代:一般1000円、学生500円 
■主催 「教科書シンポジウム」実行委員会 text2015@mail.goo.ne.jp
■集会への呼びかけ
 今年2014年には小学校教科書採択がおこなわれましたが、「つくる会」系教科書はないにもかかわらず、政府文科省の圧力によって「領土」問題をはじめとして内容が悪化しました。毎年採択の高校教科書は、実教出版日本史教科書を排除する動きが今年も各地でありました。
 過去の侵略戦争における加害の事実を否定し“日本人の誇り”を刷り込む歴史教育は、アジア諸国との対立を煽り、いじめ・ヘイトスピーチの温床をつくることにしかなりません。そのうえ個人の権利より国民の義務を優先すべきと教える公民教育によって、「お国のために命を捨てる覚悟」を植えつけられた若者たちが戦場へと送られてしまうのです。
 この大阪は維新系の首長が多く、しかも教育委員会制度が改悪されて首長が教育行政に介入する条件が整えられた中で、2015年は東大阪市のみでなく「つくる会」系教科書の採択が大幅に伸びることが予想されます。
 私たちは、「あぶない教科書はいらない!シンポジウム」を開催したいと思っています。そこには、これまで種々の運動を闘ってこられたみなさんに「平和・人権・共生の精神に反する教科書は許さない」という一点で教科書問題に結集していただき、各市町村教委に「つくる会」系教科書を選ばせない取り組みを進めたいと思います。またこの力が安倍政権による憲法改悪と戦争への本格参戦を阻止する大きな力にもつながると確信しています。是非、シンポジウムに参加していただきますよう、よろしくお願いします。
                            「教科書シンポジウム」実行委員会

ピース集会の案内

日時:2014年11月24日(月・振替休日)午後1時30分~4時30分(開場は午後1時から)
会場:エルおおさか709号室(地下鉄谷町線、京阪電鉄「天満橋駅」下車、西へ300m
資料代:500円
基調提案:上杉聡さん(事務局)
講演:「戦争犠牲者達を怒らせてはなりません!(仮)」
        ―――歴史・教育学者が点検するピースの新展示案―――
        講師安川寿之輔さん(名古屋大学名誉教授)
  各界からの発表(予定):大阪空襲体験者、重慶空襲訴訟関係者、大阪各地の追悼集会関係者、教員、平和のNPO、歴史研究者など
                               連絡先:15年戦争研究会

でもね

◆24日にはピースの集会があり、29日には教科書問題の集会があり、29は行けないので、誰かに行ってもらわないといけないのですが、24は行くつもり。事務局からは講演のあと、各団体からの意見表明というのがあり、歴史学界として大歴のオレにやれと。ええ!、そりゃ近現代史の人でしょ、なんでオレやねんという気持ちはぬぐえず。1週間を切り、ちょっと対処を考えないといけません。
◆シンポ実行委員会のみなさんのMLを通して知ることのできる運動を見ていると、頭が下がります。感銘を受けます。ピースから加害展示が撤去されるが、だからといって放置せず、よりよくなるように学習会を開き、館に働きかけ、議員に働きかけ、ねばり強くやっている。わたしなんぞは、その情報をえて、ヒストリア誌を通して発信するくらいのことしかできません。そこは2頁でもなんとか続けている。6月号、8月号、今度出る10月号と。24日の集会をふまえ、できれば12月号にも、と思ってはいます。
◆考古学とか近現代史とか、そんなことは関係ありません。現代の問題は一人一人の問題だし、歴史学に携わるものとして、専門とか関係なく勉強だと思っている。戦争遺跡にも関心があり、大阪府の詳細なリストがあることを知り、ヒストリアで連載できないかということを考えています。
◆なんとなく話がそれています。実行委員会のみなさんの活動の方がわたしには訴えるわけです、一所懸命なものを応援したいと。近現代史の人間のなかには、そんな加害を抜くピースの展示に協力なんぞ、マトモな学者なら関わらないといった意識があるんです。人それぞれだから、個人がどう考えるかは自由だが、わたしとしては、そういう姿勢よりも、実行委員会の人たちの活動に全面的に共感を覚えるわけです。

ちなみに

◆ヒストリア10月号は1ヶ月おくれです。もうすぐ納品です。去年も実は10月号は・・・。これ現地見学検討会の原稿の問題。とくにオヒトカタでしたが。この特集は、いつもオレが担当しているので、4月の実施から8月末に原稿をもらうまでのあり方や、その後の催促のあり方などで、たぶん改善されるんでしょうね。なかなか、そればっかりやってられないのですが、そこは企画委員のなかで、若い委員に仕事を振るなどした方がいいかもしれません。
◆今回は、こちらの対応の問題でなく、原因は執筆者にあるのは明確なのですが、それに至るプロセスを考えると、委員長が背負い込むのがよくないんだろうな~、と思います。

歴研の声明

◆梅田に行ったのは大歴の委員会があるからで、山根の手紙の文字起こしもなかなか時間のかかるもの。で、本日の議論のなかで感銘をうけたのは、歴史学研究会の従軍慰安婦に関する声明である。朝日新聞社の記事撤回が、あたかもそんな問題なかったかのような首相の物言いや、週刊誌等の誹謗に対し、明確な反対を唱えたものである。
◆こんなデマがあたかも本当のようにキャンペーンのように喧伝され、なにも知らない人はなかったんだと信じてしまうのが、いまの世の中である。これだけでも教育は破綻しているといえる。いや、そう捨てたものではないのかもしれないが、限られた範囲かと思われる。誰もちゃんとした本などを読むことはなく、そんな話おかしいと思わないのだろう。声の大きい人の言うこと、みんなが言っていることを、そのまま鵜呑みにするのだろう。そうじゃなく、みながほんとはどうなんだろうと、少し時間と調べる労力をかけ、それにもとづいて考え判断する、そういう市民を育てるのが教育なんだろうと思う。そういう人々が40%、60%、80%、と増えれば、でたらめな国会議員など選出されないに違いない。が、18歳人口の60%が大学に進学する時代ではあるが、むしろマトモに自分で考える人間は、そんな「高等教育」を受けているいないにかかわらず、戦後、ある程度まで比重を占めていたものが、いまは後退しているのだと思う。
◆で、大歴である。声明をという話もあったが、それはそれで結構なんだけれども、そんなん出しても何の効果もない、ヘでもないと。既に歴史学研究会が力の入った声明を出しているので、それをベースに、日本の主要な歴史学界が一致して文章を練り上げ、連名で全国紙1頁大の声明を発表すべし、と発言した。それくらいやらないと何のインパクトもないと。これ、そこそこ本気です。事務局長も動いてくれそうです。どうなりますやら。でも、きっとマトモな学会はみな賛成しますよ。

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プロフィール

HN:
雲楽
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/03/22
職業:
大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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