人を幸せにする人になろう

安藤さんの話をきく

◆05月21・22日は佐倉歴博の研究会。1日目は安藤広道さんの「水田中心史観批判の功罪」。2時間半たっぷりしゃべらはったが、勉強になる興味深い発表だった。安藤さんとは、東博におられた頃以来で(文化庁の速報展は初期はオープニングを東博でやっていた)、10数年ぶりか。
◆いっぱい書くことがあるが、メモしまくって、なにがなんだか・・・。じっくりと読み返しが必要。ここではひとつだけ。そもそも、指摘の通り、2000年代に入り、縄文にイネやムギ、雑穀があるのはもはや自明、といった雰囲気となる。オレも宮本さんのものを読んで、共通教育の授業の準備をしたな~。だが、佐原さんのいうように、弥生の稲とは違うと・・・。それはその通りとみな考えているようだが、やはり縄文の栽培植物の意味をどの程度とみるかで、見方が変わってくる。前に松木さんの書いたものにコメントしたが、縄文後期を重視するというのも、この流れであるようで、弥生の稲の前段として、縄文のイネを含めた栽培が始まっていることを重くみているわけだ。
◆だが、確実な資料があるのだろうか、というのが安藤さんの話。イネ・アワ・キビの確実例はないらしい。いまは、一時的に盛り上がった縄文農耕論が再検証されているのだそうだ。そういう潮流、山崎純男さんがなんか言ってるらしいという話は聞こえてきていたことを思い出すが、ほとんどわかっちゃいなかった。
◆どうなるかはわからん。が、安藤さんの、資料を検証し、コクゾウムシの実験などもしながら、きっちりとした議論を組み立てていこうとする姿勢に感銘する。この人は立派な学者だと。それに比べて、面白そうな話に飛びつく自分はアカンのやろな~。
◆発表最後の、弥生農耕以降の列島文化をどうくくっていくか、というところはさらに詰めていただくとして、全体としてほぼ同感だ。共感を覚える。

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雲楽
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男性
誕生日:
1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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