人を幸せにする人になろう

岡山で千足の委員会

◆月曜日、雨。千足の委員会。文化庁からも3人、奈文研の保存科学、探査担当も含め、全員出席で大勢。雨の中、調査区を見る。間壁委員長、稲田さんと、岡大の新納さん、岡山理科大の亀田氏、が現場で前哨戦をやっている。こっちはおとなしく現場を見る。会議でも、今年の調査でどこまでやるか、ここまで掘れという意見と、セーブしようという文化庁、なかなか面白い。具体の話はやめておこう。
◆痛んでいる直弧文入り石障をどう救うかという部分と、これを機に千足古墳を整備しようという話を、切り分けて考える必要がある一方で、石障を救うだけにとどめずに、一定の考古学的な調査をして整備活用につなげることがナシにならないよう連続的に実施される必要がある。
◆地山はけっこう深そうであり・・・、やめとこう。一般論として墳丘を掘った場合、墳丘残存面はそれはそれで生きた面であり、それを掘り込んで盛土の状況を確認する、地山を確認する、というのは一方では破壊であるので、わたしは止めている面が確かに生きた盛土面であるという裏取りが必要な場合をのぞいて、あまり割らない。なので、径の小さなボーリングというのは、そのコアサンプルでの地山確認が容易かどうかによろうが、一定の有効性はあろう。ただ、それはそれで専門の人に頼まないといけないので(ちょっとやれば素人でもできるのかもしれないが)、うちの大学の調査ではやらないな~。
◆新納さんが千足石室のデータをもとに、3Dプリンタで模型を作成してきて披露した。色も付いている。石室壁a010b70e.jpg体のハラミが見てわかりやすい。石障が何とかなったとして、同じような石材の腰石、また石室全体の危険度をどう判断するか、整備しようとするときに、石室を見せることが可能なのかどうか、これからさらに議論が必要だ。ちなみに、こっちの模型作りはあんまり進んでいないが、メスリに続き、渋谷向山の石膏模型ができてきたので、写真を挙げておこう。
◆なお、どういう保存措置がありうるのか、現地保存、石障のとりはずしなど、専門的な観点から検討する作業部会が立ち上がっており、そうした検討をふまえて、年度末の3回目の会議で、どうするか方針を決めることになる。

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雲楽
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男性
誕生日:
1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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