人を幸せにする人になろう

陵墓を史跡にする

◆わたしは、ひとまず史跡指定の要望と、公開性の拡大、それをめざして、毎年、7月の懇談会に臨んでいる。史跡指定の理屈、この間、書陵部長などにぶつけてきたことは、以下のようなこと。
◆1)日本の古墳時代を代表する学術的に重要な文化財である。
◆2)宮内庁が守るべき陵墓は、保護をまっとうできていない。いわゆるドーナッツ指定など。周濠や堤ばかりでない。本体もだ。箸墓もはみ出している。西殿塚もはみ出している。そういうものを含めて、陵墓としての保全は不完全で、それを地方公共団体が補完している。宮内庁の管理地の外を指定しているのは多くないが(昨日、そういう外回りの指定を文化庁はやらないと田中琢が言ったそうだ。だからどうしたのだ。そのココロを説明してくれないと、意味わからん。)、応神陵外堤外濠というものもある。地方公共団体が買い上げて保護している(どうもこれは特殊らしいが)。住宅建設にともなう小規模調査だってそうだ。陵墓なんだから宮内庁がやることだ。全うできていないことを認識し、所在地の地方公共団体と協力して保護を図って欲しい。そのためには、アンコはアンコ、外は知らないというのでは、地方公共団体のモチベーションはあがりませんと。宮内庁が本体を史跡にしてこそ、外回りも努力して残そうかという気持ちにもなるというものです。
◆3)宮内庁単独では、予算的にも人的にも、修繕や管理がもはや困難。傷んでいる汀も直せない。それは宮内庁も認識している。つまり古墳の傷みに対して手当が十分できないのである。
◆4)開かれた陵墓。柵で囲み、内部にゴミを放り投げられる陵墓、市民生活とは無縁の陵墓、日常管理においても、地元地方公共団体や町内会が関与し、清掃などを行い、古墳本体には立ち入れないが、外回りの堤は散策道として整備されるなど、市民生活のなかに息づく陵墓をこれからは目指すべきだ。むろん安寧・静謐ということを守りながら。
◆以上のような考えから史跡にすべきとおもっている。史跡にしてこそ、傷みの激しいところの手当をやっていく財布や手法の幅が広がるし、史跡にしてこそ、地元の行政や市民の関与が実現する。
◆最初に、森岡さんに振られたとき、以上のような発言をした。これは前から言っていること。ただし、これもマスターベーションではいかんな。ちゃんと、もっと理屈を立てて、きちんと活字にする必要があるし、それを7月の懇談会時に、今度は書面で渡して回答を求める、といった手法も考えるべきですね。

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雲楽
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男性
誕生日:
1964/03/22
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大学教員
自己紹介:
兵庫県加古川市生まれ。高校時代に考古学を志す。京都大学に学び、その後、奈良国立文化財研究所勤務。文化庁記念物課を経て、現在、大阪の大学教員やってます。血液型A型。大阪府柏原市在住。

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